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びじん
嗟乎惜べし、かゝる
美人も
是辺鄙に
生れ、
昏庸頑夫の妻となり、
巧妻常に
拙夫に
伴れて
眠り、
荊棘と
倶に
腐らん事
憐に
堪たり。
お
絹とは
何人ぞ、
君驚く
勿れ、
藝者でも
女郎でもない、
海老茶式部でも
島田の
令孃でもない、
美人でもない、
醜婦でもない、たゞの
女である
母親が
大へん
縹緻よしなので、
娘もそれに
似て
鄙に
稀なる
美人、
又才気もはじけて
居り、
婦女の
道一と
通りは
申分なく
仕込まれて
居りました。