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ひとちやうば
其が
大雪のために
進行が
續けられなくなつて、
晩方武生驛(
越前)へ
留つたのです。
強ひて
一町場ぐらゐは
前進出來ない
事はない。
私たちは
七丁目の
終點から
乘つて
赤坂の
方へ
歸つて
來た……あの
間の
電車は
然して
込合ふ
程では
無いのに、
空怪しく
雲脚が
低く
下つて、
今にも
一降來さうだつたので、
人通りが
慌しく、
一町場二町場
件の
元二はあとをも
見ないで、
村二つ
松並木を
一帳場で
瓜井戸の
原へ
掛つたのが
彼これ
夜の
八ツ
過であつた。