“なのり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
名乗48.1%
名告37.0%
名乘3.7%
名宣3.7%
宣言3.7%
3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹の里人と名乗なのりを揚げ正式に歌壇の城門に馬を進めたのは三十二年の春であります、三十五年にはもう故人となったのですから
子規と和歌 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
前に廻って、名告なのり掛けて、生命の与奪やりとりをすると云うに、かたきの得ものを用意しない奴があるものか、はははは、馬鹿だな。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見られ其方儀さる十二月二十七日の夜當方の下役したやく名乘なのりし者に召捕れ候趣き其節の手續てつゞき明白に申立よと尋ねられければ文藏はなみだ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あざむき私しに宿やどへ下り候は不埓ふらちなりしかりと雖も御公儀おかみいつはらざるゆゑ過料金くわれうきん三兩つぎに盜賊伊兵衞重罪ぢうざいなれども神妙しんめう名乘なのり出其上喜八をたすけ候だん奇特きどくに付御慈悲おんじひを以て多くのつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おんみずから業火のうちへ、平家膺懲ようちょうのお名宣なのりをあげて、院の政庁を武人の甲冑かっちゅううずめるような事態にでもなったならば、それこそ怖ろしいことである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうしたのかとたずねると、道長は四角に坐って、内密に申しあげたいことがあるという。奥の間へ行くと、道長は昂然たる態で宣言なのりをあげた。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
なのりだけでも一寸ちょっとこれ位ちがっているが——三池伝太光世みつよの一刀をもって「バタバタ」と旗本の附人共三十六人を斬って落すが、記録で行くとこの附人なる者がただの二人になってしまう。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)