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なのつ
お位の
宜い方々や御身分のある奥様がたとの
御交際もして、ともかくも原田の妻と
名告て通るには気骨の折れる事もあらう、
女子どもの使ひやう出入りの者の行渡り
隱さず
名乘て出る親子
微妙者なれば
何卒お光を
扶てやらんとは思へども天下の
大法人を
喰ふの勢ひ
有とか寶澤は心中に
偖々此
婆めが
善貨物を持て居ることよ此二品を手に入て我こそ天下の
落胤と
名乘て出なば分地でも
御三
家位萬一極運に
適ふ時はと
漸と當年十一の
兒が
爰に
惡念を