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てうしう
未だ
幾干ならざるに、
昌黎、
朝に
佛骨の
表を
奉るに
因り、
潮州に
流されぬ。
八千の
途、
道に
日暮れんとし
偶雪降る。
晦冥陰慘、
雲冷たく、
風寒く、
征衣纔に
黒くして
髮忽ち
白し。
別るゝ
時一掬の
雪を
取つて、
昌黎に
與へて
曰く、
此のもの
能く
潮州の
瘴霧を
消さん、
叔公、
御機嫌ようと。
昌黎馬上に
是を
受けて
袖にすれば、
其の
雪香しく
立處に
花片となんぬとかや。