“だこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.2%
23.3%
章魚11.6%
唾壺7.0%
紙鳶7.0%
胼胝4.7%
打虎2.3%
睡壺2.3%
2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東京の復興を目がけて地方から押し寄せた連中は、皆引っぱりだこにされていたのである。只釘を打ってのこぎりを使えれば大工で通る。わらさえ刻めば左官で通る。
「アハハ。成る程。死んどる死んどる。ウデだこごとなって死んどる。酒で死ぬ奴あどじょうばっかりションガイナと来た」
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これはあの草の茎の色とつやが、いかにもゆで章魚だことよく似ているから誰にでも附けられる名だと自分なども思っていた。多分友だちの一人がそういい出したのだろう位に考えていた。
置時計、寒暖計、すずり、筆、唾壺だこ、汚物入れの丼鉢どんぶりばち呼鈴よびりん、まごの手、ハンケチ、その中に目立ちたる毛繻子けじゅすのはでなる毛蒲団一枚、これは軍艦に居る友達から贈られたのである。(六月七日)
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
植木いじりも好き、義太夫と接木が巧者で、或時は白井樣の子供衆のために大奉八枚張の大紙鳶だここしらへた事もあつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
土田麦僊さんが御在世の折、よく私の筆胼胝だこが笑い話になりましたものです。
「とんでもない。どうか上座にいてください。打虎だこ武松のご高名は雷のごとしで、義に強い数々かずかずなお噂もつとうかがっております」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、この辺へも、お尋ねがきが廻っていたからご存知だろうが打虎だこ武松だ。景陽岡けいようこうで猛虎をなぐり殺したあの男さ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
将軍に睡壺だこを撃砕するていの感激を起さしめたのである。
余興 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
はぜかカイヅ、或は投網でイナをやるくらゐであるが、横浜から先は海も深くなるし、大鰺やメゴチ、或はソーダ、鱸、大だこ、ガラ、カンパチ、ボラ、メナダ、といふやうなものが釣れるから
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
漁史は、手応の案外強きに呆れ、多少危懼せざるに非ざれども、手繰るに従いて、徐々しずしず相近づくにぞ、手を濡らしつつ、風強き日の、十枚紙だこなど手繰る如く、漸く引き寄す。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)