“たんつぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文

(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。

おしっこを客車の通路にある痰壺（たんつぼ）にしてしまった失敗談（しかし、その上京の時に、自分は痰壺と知らずにしたのではありませんでした。子供の無邪気をてらって、わざと、そうしたのでした）

人間失格 (新字新仮名) ／太宰治(著)

僕等の通った二階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子（いす）も、唾壺（たんつぼ）も、衣裳箪笥（いしょうだんす）も、上海や漢口（かんこう）の妓館にあるのと殆（ほとん）ど変りは見えなかった。

湖南の扇 (新字新仮名) ／芥川竜之介(著)

啖壺（たんつぼ）が備えてあっても衛生や公徳の何物たるを知らない連中は平気で床の上へ啖を吐いたり、唾（つば）を吐いたりして何の心だかわざわざそれを靴の底で摺（こす）り拡（ひろ）げています。

食道楽：秋の巻 (新字新仮名) ／村井弦斎(著)

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