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唾壺
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だこ
ふりがな文庫
“
唾壺
(
だこ
)” の例文
「いや、これは。」主税は
狼狽
(
うろた
)
えて、くるりと廻って、そそくさ
扉
(
と
)
を開いて、隣の休憩室の
唾壺
(
だこ
)
へ突込んで、
喫
(
の
)
みさしを
揉消
(
もみけ
)
して、
太
(
いた
)
く恐縮の体で引返すと、そのボオイを
手許
(
てもと
)
へ呼んで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
置時計、寒暖計、
硯
(
すずり
)
、筆、
唾壺
(
だこ
)
、汚物入れの
丼鉢
(
どんぶりばち
)
、
呼鈴
(
よびりん
)
、まごの手、ハンケチ、その中に目立ちたる
毛繻子
(
けじゅす
)
のはでなる毛蒲団一枚、これは軍艦に居る友達から贈られたのである。(六月七日)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また竹は一般に我国に於る
唾壺
(
だこ
)
の代用として使用されるが、それは短く切った竹の一節を火壺と一緒に箱に入れた物で、人は慎み深く頭を横に向けてこれを使用し、通常一日使う丈で棄てて了う。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
“唾壺”の解説
唾壺(だこ)は、もとは唾液や喀痰を吐き入れるための容器であったが、のちに実用性は失ったという。
『和名抄』では、澡浴具の中に記されているが、平安時代には室内装飾の具のひとつであったらしい。白銀製で、二階棚の下段、右側に置かれるのが例であった。
深さ2寸、口径1寸4分、尻高3分の壺の上に、「唾壺羽」という深さ1寸5分、口径9寸5分の容器を載せたものである。
長さ1尺1寸、幅1尺の、蓋のような台の上に置かれた。
『延喜式』には、「銀唾壺一口、口径八寸五分」とある。
(出典:Wikipedia)
唾
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
壺
漢検準1級
部首:⼠
12画
“唾”で始まる語句
唾
唾液
唾棄
唾吐
唾気
唾罵
唾掛
唾涎
唾舌
唾液腺