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たえ/″\
と苦しいから早く自殺しようと鎌の柄に取り
縋るを新吉は振り払って、鎌を取直し、
我左の腹へグッと突き立て、
柄を引いて腹を
掻切り、夫婦とも息は
絶々に成りました時に、宗觀は
夜はまだ
更けねど
降しきる
雪に
人足大方絶々になりて
戸を
下す
商家こゝかしこ
遠く
引く
按摩の
聲に
近く
交る
犬の
子の
叫びそれすらも
淋しきを
路傍の
柳にさつと
吹く
風になよ/\と
靡いて
散るは
粉雪
息も
絶々と成て頼みなき世の有樣に
熟々思ひ
巡らす樣如何なれば
掛る
無實の罪に
罹りし事ぞ是も前世の
業因ならんと
斷念ながらも
餘りと云へば
情なし是
全く
伯父九郎兵衞が
賄賂を