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たいぎよ
骨器、牙噐、石噐中には其形状如何にも
銛の如くに見ゆるもの
有る上に、斯かる證據物さへ出でたる事なれば
大魚を
漁する爲に
銛の用ゐられし事何の疑か有らん。
何處の
野山は
如何にひろく、
某の
海には
名のつけ
樣もなき
大魚ありて、
鰭を
動かせば
波のあがること
幾千丈、
夫れが
又鳥に
化してと、
珍らしきこと
怪しきこと
取とめなく
詰らなきことを
石器時代
遺跡よりは
又鹿の
角にて作りたる
噐具も出づ。魚骨器の
右に畫きたるは
其一例にして、
發見地は相模三浦郡
久比利貝塚なり。
用は
大魚を
釣るに在りし
事何の
疑か有らん
此所に
畫きたるものの
出所は岩磐新地貝塚なるが、
其用は
恐らくエスキモーの
所用の者と
等しく
銛の先に
着けて
海獸大魚を打ち
留むるに在りしならん。
類品は
北海道レブン島よりも出でたり。