“こううん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コウウン
語句割合
幸運38.5%
耕耘26.9%
光暈11.5%
紅雲7.7%
巧雲3.8%
甲運3.8%
行雲3.8%
黄雲3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふたりは、幸運こううんのしっぽを、たしかにつかんだ人のように、あわてずに、進んでいきました。竹切れは、ぬいてすてました。重箱じゅうばこは松吉が持ちました。
いぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
が、再び思うに、むやみと得物えものを振廻しては、れない事なり、耕耘こううんの武器で、文金に怪我をさせそうで危かしい。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぜんたいがぼうと光暈こううんに包まれた、この世のものでないような白さと、なめらかに重たげなまるみが、眼に止めがたい幻の揺曳ようえいのようにみえ、ついで、なまなましくあざやかに
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ところが、夜が明けて、東に紅雲こううんのたなびき始めたこくごろ。望楼にいた兵が
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白粉おしろいあともないほど、巧雲こううんしょうを失った姿で寝入っていたが、後朝きぬぎぬともなれば、まだ飽かない痴語ちごも出て、男の胸へまといつく。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
性来の淫婦といっても、ひと通りな巧雲こううんではない。かつは情夫おとこ裴如海はいにょかいがしたたか者。わるくしたら行くすえ邪魔者の楊雄ようゆうに一服毒を盛らないものでもない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鶴瀬村を過ぎれば菱山ひしやま村、甲運こううん村を過ぎれば甲府城下、韮崎にらざき過ぎれば穴山の宿、日野春ひのはるを過ぎれば葛木かつらぎ駅路えきろ、ここから信濃の国となる。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すだれ打つ風には悲壮の気満ち空の色怪しきまでに青く澄み渡るがまま隠君子いんくんしならぬ身もおのずから行雲こううんの影を眺めて無限の興を催すもこの時節である。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一しきり休むとまた馬にまたがり、がむしゃらにけ出す。終日乗り疲れ黄雲こううん落暉らっきくんずるころになってようやく彼は幕営ばくえいに戻る。疲労だけが彼のただ一つの救いなのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)