光暈こううん)” の例文
殊に胸のふくらみと腰の豊かな線とは、年よりはるかに早熟ませそそるようなまるみをもっている。湯に温められた肌は薄桃色に染まり、それをぼうと光暈こううんが包んでいるようにみえた。
追いついた夢 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ぜんたいがぼうと光暈こううんに包まれた、この世のものでないような白さと、なめらかに重たげなまるみが、眼に止めがたい幻の揺曳ようえいのようにみえ、ついで、なまなましくあざやかに
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
寝ころんでいる弥六の前方、げちょろけの壁のところが、ぼうとほのかに明るんで来た。ごくかすかに、青白くおぼろげに明るんで来たのである。そしてその薄い光暈こううんのあいから
ゆうれい貸屋 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)