“かめゐど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
龜戸60.0%
亀井戸40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
汽車きしや龜戸かめゐどぎて——あゝ、このあひだのどてつゞきだ、すぐに新小岩しんこいはちかづくと、まどしたに、小兒こども溝板どぶいたけだす路傍みちばたのあしのなかに、る、る。ぎやうぎやうし、ぎやうぎやうし。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
江東梅園も臥龍梅ぐわりゆうばいと一しよに滅びてしまつてゐるであらう。水田すゐでんはんの木のあつた亀井戸かめゐどはかう云ふ梅の名所だつた為に南画なんぐわらしいおもむきを具へてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
午後ひるすぎから亀井戸かめゐど龍眼寺りゆうがんじ書院しよゐん俳諧はいかい運座うんざがあるといふので、蘿月らげつはその日の午前にたづねて来た長吉ちやうきち茶漬ちやづけをすましたのち小梅こうめ住居すまひから押上おしあげ堀割ほりわり柳島やなぎしまはうへと連れだつて話しながら歩いた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
萩寺はぎでらの先にある電柱(?)は「亀井戸かめゐど天神てんじん近道」といふペンキ塗りの道標だうへうを示してゐた。僕等はその横町よこちやうまがり、待合まちあひやカフエの軒を並べた、狭苦しい往来わうらいを歩いて行つた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕等は「橋本はしもと」の前で円タクをおり、水のどす黒い掘割り伝ひに亀井戸かめゐど天神様てんじんさまへ行つて見ることにした。名高い柳島やなぎしまの「橋本」も今は食堂に変つてゐる。もつともこの家は焼けずにすんだらしい。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)