“かいじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
灰燼66.7%
怪人11.5%
灰塵9.0%
海神6.4%
怪神1.3%
海人1.3%
海潯1.3%
煨燼1.3%
苅尽1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
賊の巣窟は「人間改造術」の器具薬品と共に、さる火を失して、灰燼かいじんに帰した。悪魔の陰謀は跡方もなく亡びてしまったのだ。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と、小文治が乗りつけてみると、ひとりの怪人かいじん、蔦之助をみふせて鋭利えいりな短刀をその胸板むないたきとおそうとしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしや何か目じるしの札でもと存じ灰塵かいじん瓦礫がれきの中を掘るようにして探ねましたが、思えば剣戟けんげき猛火のあいだ、そのようなものの残っていよう道理もございません。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
ああ、一たび怒れば海神かいじんおののく『富士』よ。ただこの一回の砲撃で、敵の四機は影もなし。見えるものはただ白い波頭なみがしら、聞えるものはただ黒潮の高鳴たかなりである。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
いや、お化けというよりもそういうへんな顔をした怪神かいじんとも見える。したがって、どこか人間の顔に近いところもある。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
「これは海人かいじんというものです」と、漁師は言いました。「これが出ると必ず災いがあります。何かの事のないように、いっそ殺してしまいましょう」
話聖東ワシントンのこと起り、蘭夷の報ずるところを聞けば則ち曰く、「いま礮台ほうだい海潯かいじんめぐらすを見ざれば、南風四月はなはだ心にかかる」。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
軍資器械、とも煨燼かいじんとなり、河水ことごとく熱きに至る。京師これを聞きて大に震駭しんがいす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
哲学の高致を解せざるが故に、愚物を騙罔へんまうして文学をとほざくべしと謂ふ、斯くして一国の愛国心をも一国の思想をも一国の元気をも一国の高妙なる趣味をもこと/″\苅尽かいじんして、以て福音をかんとす
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)