“いば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
威張67.5%
息張10.5%
伊庭7.0%
意張4.4%
3.5%
意馬2.6%
1.8%
井場0.9%
井波0.9%
偉張0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなわち、金があって、ぶらぶら遊んでいて、流行おくれの都会風の着物を着ているような、そんな階級人が威張いばっているのであった。
実は今になつて見ると、息張いばつて車に乗つて晩の見物に来た富豪が、心の内で現に場内の暖い席にゐる貧乏人を羨んでゐる。
防火栓 (新字旧仮名) / ゲオルヒ・ヒルシュフェルド(著)
水戸藩の剣道指南役でもあり、塾弟子常に二百人に余り、男谷下総守おたにしもうさのかみ、斎藤弥九郎、桃井もものい春蔵、伊庭いば軍兵衛と、名声を競ったものであった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そんな面白味や情慾じょうよくが、いつかは無くなってしまうだろう。その時自由意志で、決然として実行すれば好いのだ。そうすれば君主的な行いだ。意張いばって出来る行いだ。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
かくいひつつかぶりし帽を脱棄ぬぎすてて、こなたへふり向きたる顔は、大理石脈だいりせきみゃくに熱血おどる如くにて、風に吹かるる金髪は、こうべ打振りて長くいばゆる駿馬しゅんめたてがみに似たりけり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あり触れた和漢の故事を述べてまたその話かと言わるるをおそれ、唐訳の律蔵よりいとも目出たい智馬ちばの譚を約説して祝辞に代え、それから意馬いばはしるに任せ、おもい付き次第に雑言するとしよう。
馬がいばりをする時だけ彼れは不性無性ふしょうぶしょうたちどまった。妻はその暇にようやく追いついてせなかの荷をゆすり上げながら溜息をついた。馬が溺りをすますと二人はまた黙って歩き出した。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
井場いばという船具商である。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「都合もくそもあるものですか、私は婿にいったんじゃなく母親ごと松枝を嫁に貰ってやったつもりなんですからね、これからすぐ井波いばの馬を借りてとばせましょう」
雨の山吹 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
阿Qはそれからというものはずいぶん長いこと偉張いばっていた。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)