いば)” の例文
出して、(しょうろく四銭しもんで乗るべいか。)馬士うまかたが、(そんなら、ようせよせ。)と言いやす、馬がヒインヒインといばう。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくいひつつかぶりし帽を脱棄ぬぎすてて、こなたへふり向きたる顔は、大理石脈だいりせきみゃくに熱血おどる如くにて、風に吹かるる金髪は、こうべ打振りて長くいばゆる駿馬しゅんめたてがみに似たりけり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
時に松風ひびきあがり、野飼の駒たてがみを振ひ、首をもたげ、高くいばゆることやまざりき。傍に砕けたる瓦のうづたかきがあり、そのあひだをきいでて、姫百合の一もと花さくもあはれなり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
小荷駄返して馬いばふらん 我則がそく
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)