無名作家の日記むめいさっかのにっき
九月十三日。 とうとう京都へ来た。山野や桑田は、俺が彼らの圧迫に堪らなくなって、京都へ来たのだと思うかも知れない。が、どう思われたって構うものか。俺はなるべく、彼らのことを考えないようにするのだ。 今日初めて、文科の研究室を見た。思いのほか …