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折
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おり
ふりがな文庫
“
折
(
おり
)” の例文
あるいはその手の指の先に(ニコティンは太い第二指の爪を何と云う
黄色
(
きいろ
)
に染めていたであろう!)
四
(
よ
)
つ
折
(
おり
)
に折られた十円札が一枚
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
我
(
われ
)
ゆゑ
死
(
し
)
ぬる
人
(
ひと
)
のありとも
御愁傷
(
ごしうしよう
)
さまと
脇
(
わき
)
を
向
(
む
)
くつらさ
他處目
(
よそめ
)
も
養
(
やしな
)
ひつらめ、さりとも
折
(
おり
)
ふしは
悲
(
かな
)
しき
事
(
こと
)
恐
(
おそ
)
ろしき
事
(
こと
)
胸
(
むね
)
にたゝまつて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
△「
折
(
おり
)
を
然
(
そ
)
う云ったっけが間に合わねえから、此の玉子焼に
鰆
(
さわら
)
の照焼は紙を敷いて、手拭に包み、
猪口
(
ちょこ
)
を二つばかり
瞞
(
ごま
)
かして
往
(
ゆ
)
こう」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お
手間
(
てま
)
を
取
(
と
)
らせることじゃない。ちと
折
(
おり
)
いって、
相談
(
そうだん
)
したい
訳
(
わけ
)
もある。ついそこまで、ほんのしばらく、つき
合
(
あ
)
っておくれでないか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
折
(
おり
)
しも沖を見ると、ちょうど真赤な入日が不安な色に凶兆を示して重たい鉄弾の焼けたのが落ちるように
深蒼
(
しんそう
)
の日本海に沈む処であった!
暗い空
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
あの
折
(
おり
)
は
思
(
おも
)
いの
外
(
ほか
)
の
乱軍
(
らんぐん
)
、
訣別
(
わかれ
)
の
言葉
(
ことば
)
一
(
ひと
)
つかわす
隙
(
ひま
)
もなく、あんな
事
(
こと
)
になって
了
(
しま
)
い、そなたも
定
(
さだ
)
めし
本意
(
ほい
)
ないことであったであろう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その上に琉球
唐紙
(
からかみ
)
のような下等の紙を用い、興に乗ずれば
塵紙
(
ちりがみ
)
にでも浅草紙にでも
反古
(
ほご
)
の裏にでも竹の皮にでも
折
(
おり
)
の
蓋
(
ふた
)
にでも何にでも描いた。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「おや
宗
(
そう
)
さん、しばらく御目に
掛
(
か
)
からないうちに、大変
御老
(
おふ
)
けなすった事」という一句であった。御米はその
折
(
おり
)
始めて叔父夫婦に紹介された。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お正月だのお
盆
(
ぼん
)
だの、またはいろんなお
祭
(
まつ
)
りの
折
(
おり
)
に、町の
賑
(
にぎ
)
やかな広場に
小屋
(
こや
)
がけをして、さまざまの人形を使いました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あれッと、僕が
緊張
(
きんちょう
)
する
折
(
おり
)
ふし、水槽の横手の方から、ぎりぎりと
硝子
(
ガラス
)
の板が出て来て、僕の頭の上を通りすぎていった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何か大蔵大臣と話しつつある間に
折
(
おり
)
に触れて少しずつ尋ねてみたり、疑いの起らない範囲内において研究したんですからどうせ充分な事はない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
仏蘭西人
(
フランスじん
)
が
極
(
きま
)
って
Serviette
(
セルヴィエット
)
を
頤
(
おとがい
)
の下から
涎掛
(
よだれかけ
)
のように広げて掛けると同じく、先生は必ず
三
(
み
)
ツ
折
(
おり
)
にした懐中の手拭を膝の上に置き
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
御前
(
おんまえ
)
を
間
(
あわい
)
三
間
(
げん
)
ばかりを
隔
(
へだ
)
つて其の
御先払
(
おさきばらい
)
として、
袿
(
うちぎ
)
、
紅
(
くれない
)
の
袴
(
はかま
)
で、
裾
(
すそ
)
を長く
曳
(
ひ
)
いて、
静々
(
しずしず
)
と
唯
(
ただ
)
一人、
折
(
おり
)
から菊、
朱葉
(
もみじ
)
の
長廊下
(
ながろうか
)
を渡つて来たのは
藤
(
ふじ
)
の
局
(
つぼね
)
であつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
和泉
(
いずみ
)
の山奥の
百合根
(
ゆりね
)
をたずさえる一人に、べつの男は
津
(
つ
)
の国の色もくれないの
鯛
(
たい
)
の
折
(
おり
)
をしもべに担わせた。こうして通う一人は津の国の
茅原
(
かやはら
)
という男だった。
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
でも
始終
(
しじゅう
)
どうかして
天
(
てん
)
に
帰
(
かえ
)
りたいと
思
(
おも
)
って、
折
(
おり
)
があったら
羽衣
(
はごろも
)
を
取
(
と
)
り
返
(
かえ
)
して、
逃
(
に
)
げよう
逃
(
に
)
げようとしました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
おれもこれから京へのぼって、
秀吉公
(
ひでよしこう
)
の力を借り、
武田
(
たけだ
)
一族を
狩
(
か
)
りつくすさんだんをするから、てめえも
折
(
おり
)
さえあったら、この仕返しをすることを忘れるなよ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三人の客がわざわざ山吹村からさげて来てくれた祭典記念の
神酒
(
みき
)
と菓子の
折
(
おり
)
とがそのあとに残った。彼はそれを家の
神棚
(
かみだな
)
に供えて置いて、そばへ来る妻に言った。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……それを
貴女
(
あなた
)
離嫁
(
わか
)
れる
折
(
おり
)
に
置
(
お
)
いて
行
(
ゆ
)
けと申しましたので、しかたなく置いて帰つたので御座います
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
或
(
ある
)
ときも
無聊
(
ぶれう
)
に
苦
(
くる
)
しんでゐた
折
(
おり
)
、
誰
(
たれ
)
かを
訪問
(
ほうもん
)
しようかと
言
(
い
)
ひ
合
(
あ
)
つてゐるときS、H
氏
(
し
)
の
名
(
な
)
が
出
(
で
)
た。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
やはり
毎朝
(
まいあさ
)
のようにこの
朝
(
あさ
)
も
気
(
き
)
が
引立
(
ひきた
)
たず、
沈
(
しず
)
んだ
調子
(
ちょうし
)
で
或
(
あ
)
る
横町
(
よこちょう
)
に
差掛
(
さしかか
)
ると、
折
(
おり
)
から
向
(
むこう
)
より
二人
(
ふたり
)
の
囚人
(
しゅうじん
)
と四
人
(
にん
)
の
銃
(
じゅう
)
を
負
(
お
)
うて
附添
(
つきそ
)
うて
来
(
く
)
る
兵卒
(
へいそつ
)
とに、ぱったりと
出会
(
でっくわ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夢の中の
景色
(
けしき
)
は、映画と同じに、全く色彩を伴わぬものであるのに、あの
折
(
おり
)
の汽車の中の景色
丈
(
だ
)
けは、それもあの毒々しい押絵の画面が中心になって、紫と
臙脂
(
えんじ
)
の
勝
(
かっ
)
た色彩で
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
夫人が
折
(
おり
)
を見て掃除に行くと、『あなた、いつも掃除、掃除、掃除。あなたの悪い
病
(
くせ
)
です』
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
枯れた草の中から
竜胆
(
りんどう
)
が悠長に出て咲いているのが寒そうであることなども皆このごろの
景色
(
けしき
)
として珍しくはないのであるが、
折
(
おり
)
と所とが人を寂しがらせ、悲しがらせるのであった。
源氏物語:40 夕霧二
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
何にしてもそれを聞いた以上、彼女は知らない顔をしているわけにもゆかないので、進まないながらも其の日の午すぎに、近所で買った
最中
(
もなか
)
の
折
(
おり
)
を持って、津の国屋へ見舞に行った。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一、幼少の
折
(
おり
)
、母を失ったときに、親に対して孝をつくすことができなかったが、せめて母の希望であった点は
忘却
(
ぼうきゃく
)
せずして、遅れながらもこれを達しようと、こういう考えが浮んだ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
小柄な男はその
夜
(
よ
)
をはじめとして
折
(
おり
)
おりやって来た。そして勘作が漁がなくて困っていると、彼は勘作の網を持ってちょっとの間どこかへ漁に往ったが、
何時
(
いつ
)
でも
数多
(
たくさん
)
の魚を
獲
(
と
)
って来た。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
子どもらは、みんな新しい
折
(
おり
)
のついた
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
て、星めぐりの
口笛
(
くちぶえ
)
を
吹
(
ふ
)
いたり
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
プラットフォームに入っては口もろくに利けないほど
急
(
せ
)
いた気持になって持って来たチョコレートの
折
(
おり
)
をわたしたりしわになった衿をなおしてやって居るともう発車の時になって仕舞った。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今からおよそ十年
余
(
あま
)
りも前に、広島県
安芸
(
あき
)
の国〔県の西部〕の
北境
(
ほっきょう
)
なる
八幡
(
やはた
)
村で、広さ数百メートルにわたるカキツバタの
野生群落
(
やせいぐんらく
)
に
出逢
(
であ
)
い、
折
(
おり
)
ふし六月で、花が一面に満開して
壮観
(
そうかん
)
を
極
(
きわ
)
め
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
エピソードにはいろいろの美しき
絵様
(
えよう
)
あり。
折
(
おり
)
あらば詳しく書き記すべし。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
折
(
おり
)
から何だか、気味を
好
(
よ
)
く思っていないところへ、ある晩高麗蔵さんが、二階へ
行
(
ゆ
)
こうと、
梯子段
(
はしごだん
)
へかかる、
妻君
(
さいくん
)
はまた
威
(
おど
)
かす気でも何でもなく、上から下りて来る、その顔に薄く
燈
(
あかり
)
が
映
(
さ
)
して
薄どろどろ
(新字新仮名)
/
尾上梅幸
(著)
その
折
(
おり
)
白いペンキ塗りの手車を曳いた被告を確かに見たと云うんです。
あやつり裁判
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
兼「人を馬鹿にするなア、
毎
(
いつ
)
でもしめえにア
其様
(
そん
)
な事だ、おやア
折
(
おり
)
を置いて行ったぜ、平清のお土産とは気が利いてる、
一杯
(
いっぺい
)
飲めるぜ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
折
(
おり
)
から
下坐敷
(
したざしき
)
より
杯盤
(
はいばん
)
を
運
(
はこ
)
びきし
女
(
おんな
)
の
何
(
なに
)
やらお
力
(
りき
)
に
耳打
(
みゝうち
)
して
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
下
(
した
)
までお
出
(
いで
)
よといふ、いや
行
(
ゆ
)
き
度
(
たく
)
ないからよしてお
呉
(
く
)
れ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
好
(
よ
)
い
日和
(
ひより
)
の
折
(
おり
)
などには
私
(
わたくし
)
はよく二三の
腰元
(
こしもと
)
どもに
傅
(
かしずか
)
れて、
長谷
(
はせ
)
の
大仏
(
だいぶつ
)
、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
の
弁天
(
べんてん
)
などにお
詣
(
まい
)
りしたものでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
二郎は
昨夜
(
ゆうべ
)
見た夢が余り不思議なもんで、これを兄の太郎に話そうかと思っていましたが、まだいい
折
(
おり
)
がありません。
迷い路
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大
(
おお
)
きく
頷
(
うなず
)
いた
伝吉
(
でんきち
)
は、
折
(
おり
)
から
通
(
とお
)
り
合
(
あわ
)
せた
辻駕籠
(
つじかご
)
を
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めて、
笠森稲荷
(
かさもりいなり
)
の
境内
(
けいだい
)
までだと、
酒手
(
さかて
)
をはずんで
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
人種の発達と共にその国土の底に深くも根ざした思想の
濫觴
(
らんしょう
)
を
鑑
(
かんが
)
み、幾時代の遺伝的修養を経たる忍従棄権の
悟
(
さと
)
りに、われ知らず
襟
(
えり
)
を
正
(
ただ
)
す
折
(
おり
)
しもあれ。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
孤堂先生は右の手に
若干
(
そこばく
)
の銀貨を握って、へぎ
折
(
おり
)
を取る左と
引
(
ひ
)
き
換
(
かえ
)
に出す。御茶は部屋のなかで娘が
注
(
つ
)
いでいる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
東郷家にとっても、八雲にも、何の
縁
(
ゆかり
)
もない機屋であったが、多門寺の住職と道で口をきいたのが縁になって、彼女は、ここに今夜の
折
(
おり
)
を待っていたのであった。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
トラ十へ、これをさしいれたいから頼みますと、にぎりずしが一
折
(
おり
)
と、
鼻紙
(
はながみ
)
一
帖
(
じょう
)
とをもってきたのです。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
桂木は
投落
(
なげおと
)
されて横になつたが、死を
極
(
きわ
)
めて
起返
(
おきかえ
)
るより先に、これを見たか婦人の念力、
袖
(
そで
)
の
折
(
おり
)
目の正しきまで、下着は起きて、何となく、我を
見詰
(
みつ
)
むる
風情
(
ふぜい
)
である。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこぞに
百姓家
(
ひゃくしょうや
)
でも
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
、
頼
(
たの
)
んで
一晩
(
ひとばん
)
泊
(
と
)
めてもらおうと
思
(
おも
)
いましたが、
折
(
おり
)
あしく
原
(
はら
)
の中にかかって、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
りぼうぼうと
草
(
くさ
)
ばかり
生
(
お
)
い
茂
(
しげ
)
った
秋
(
あき
)
の
野末
(
のずえ
)
のけしきで
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
三
月
(
がつ
)
の
末
(
すえ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びょういん
)
の
庭
(
にわ
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
おり
)
しも、
院長
(
いんちょう
)
は
親友
(
しんゆう
)
の
郵便局長
(
ゆうびんきょくちょう
)
の
立帰
(
たちか
)
えるのを、
門
(
もん
)
まで
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
甚兵衛はもうたいへん金を
儲
(
もう
)
けていましたし、
壊
(
こわ
)
れた人形を見ると、
再
(
ふたた
)
び人形を使う気にもなりませんでした。
猿
(
さる
)
も
都
(
みやこ
)
を
見物
(
けんぶつ
)
しましたし、そろそろ
元
(
もと
)
の山にもどりたくなってる
折
(
おり
)
でした。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そのうちに今年の春もあわただしく過ぎて、
初鰹
(
はつがつお
)
を売る四月になった。その月の晴れた日に勘蔵が新らしい袷を着て、干菓子の
折
(
おり
)
を持って、神田三河町の半七の家へ先ごろの礼を云いに来た。
半七捕物帳:29 熊の死骸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
粟野さんはてれ隠しに
微笑
(
びしょう
)
しながら、
四
(
よ
)
つ
折
(
おり
)
に折った十円札を出した。
十円札
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ブッダ・バッザラ師といろいろ話の
折
(
おり
)
に、同師が私に勧告されますには
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「大きなものといってもせいぜい
折
(
おり
)
かばん位のものです」書生は不思議相に答えた。「自動車や車は門を出たり入ったりしましたけれど、だれもそんな大きなものを運び出した人なんかありません」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
客「
斯
(
こ
)
うしようじゃアねえか、
折
(
おり
)
を
然
(
そ
)
ういっても間に合うめえし残して往っても無駄だから、此の
生鮭
(
なまじゃけ
)
と玉子焼とア持って行こう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“折”を含む語句
端折
尻端折
折伏
九十九折
折曲
手折
挫折
折屈
崩折
折々
折敷
骨折
折悪
折角
折柄
夭折
中折帽
折節
折釘
折合
...