“壊”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
こわ63.3%
やぶ9.5%
くず7.6%
こは3.7%
3.4%
3.1%
こぼ3.1%
くづ1.2%
つい1.2%
0.9%
0.6%
くだ0.6%
0.6%
ごわ0.3%
ついえ0.3%
0.3%
なだ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他所見よそみをせず、こわれぬ幸福をしっかり互に守っているらしい夫婦はあまり見なかったのでそれ以来、特に私は注意するようになった。
睡蓮 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そなた達の大事な武器の呪いは今やぶそこなわれようとして居るのだ。汝等みな生物の形をとって、この一期の戦いに味方となって呉れ。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
所々に出水でみずの土手くずれや化けそうな柳の木、その闇の空に燈明とうみょう一点、堂島開地どうじまかいちやぐらが、せめてこの世らしい一ツのまたたきであった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其代り、此窮窟な主義だとか、主張だとか、人生観だとかいふものを積極的せききよくてきこはしてかゝつたためしもない。実に平凡でい。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
獣の脚で踏まれた山の石が一つえて落ちて、乾いた草の上を転がつて、とう/\海まで来てぴちやつと音をさせて水に沈んだ。
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
かたむいて矢のごとく下る船は、どどどときざみ足に、船底に据えた尻に響く。われるなと気がついた時は、もう走る瀬を抜けだしていた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしは簡堂の墓を弔わんと欲して三田台町一丁目の正泉寺を尋ねたが、寺は既にこぼたれて小学校の校舎が建てられていた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
築地西本願寺本堂、浅草蔵前閻魔堂、本所霊山寺りやうせんじ本堂がくづれ、永代橋、大川橋が損じた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
工事中、いちばん怖ろしいことは、その間隙かんげきの生じることだ。たとえ一間の土塀といえども、その間隙から、一国のついえが来ないとは申されぬ
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九相きゅうそうは死人の変化道程を説いたもので、膨張相ぼうちょうそう青瘀せいお相、相、血塗けっと相、膿瀾のうらん相、虫噉ちゅうかん相、散相、骨相、土相をいうので、何も如何に喪を緩うしたとて
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
写生箱は膳の代りとなり、筆ははしになる。二つのふちけた茶碗、一つには飯が盛られ、一つには汁がつがれた。宗平兄弟は「メンパ」とよぶ弁当箱を出して、汁を上から掛けては箸を運ぶ。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
戯談じょうだんのようにいい寄った夫の同僚の一人、手を握った会社の課長、酔って接吻をしようとした親族の男などを、くだけた鏡に写っている記憶のように、きらきらと、ひらめかせた。
ロボットとベッドの重量 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
まざ/″\と 地上にえし○○○のおびたゞしきに、心うたれつ
鵠が音:02 島の消息 (新字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
驚いたのは、其の土橋どばしが、あぶなつかしくこわごわれに成つて居た事では無い。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
地を這う蟻の喜悦から、星のついえる悲哀まで、無涯の我に反映して無始無終の彼方に還るのではございますまいか。
C先生への手紙 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あの裏山の土蔵はけてアトカタも御座いませんので、途方に暮れておりまするところへ、コチラ様の前を通りかかって、御厄介になりに来たのではないかと、こう思いますが……
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
軍楽ぐんがくくろ不安ふあんなだれ落ち、に入るとき
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)