つい)” の例文
旧字:
工事中、いちばん怖ろしいことは、その間隙かんげきの生じることだ。たとえ一間の土塀といえども、その間隙から、一国のついえが来ないとは申されぬ
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地境じざかいの端から草地になり、その向うに、おどろおどろしいばかりについえ崩れた土塀を廻した古屋敷。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
初看板の夢ついえて圓朝はガッカリとしてしまった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「そうでしょう、ご心労もむりはない。まちがえば、朝門ちょうもんついえ、九族は滅ぼされ、天下の大乱ですからな」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)