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仰
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おつ
ふりがな文庫
“
仰
(
おつ
)” の例文
「もし大納言さま、どうぞゆるすと
仰
(
おつ
)
しやつて下さい。でございませんと、山車が御前をとほつて参ることが出来ませんから……。」
拾うた冠
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
「ぢや、
姉
(
ねい
)
さんは
何方
(
どちら
)
が
好
(
すき
)
だと
仰
(
おつ
)
しやるの」と、妹は姉の手を引ツ張りながら、
面
(
かほ
)
顰
(
しか
)
めて
促
(
うな
)
がすを、姉は空の
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
眺
(
なが
)
めやりつゝ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
あれでございますか、
文部省
(
もんぶせう
)
が
建
(
た
)
ちましたの、
空気
(
くうき
)
の
好
(
い
)
い
処
(
ところ
)
でなければならんと
仰
(
おつ
)
しやいまして、
森大臣
(
もりだいじん
)
さまが
入
(
い
)
らツしやいまして。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
ます。
父樣
(
おとつさん
)
が
私
(
わたくし
)
の
頭
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でゝ、お
前
(
まへ
)
は
日本人
(
につぽんじん
)
の
子
(
こ
)
といふ
事
(
こと
)
をばどんな
時
(
とき
)
にも
忘
(
わす
)
れてはなりませんよ、と
仰
(
おつ
)
しやつた
事
(
こと
)
でせう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
忌
(
いみ
)
もまだ明けないだらうつて。奥さんにも似合はない旧弊なことを
仰
(
おつ
)
しやるのですね。忌
位
(
ぐらゐ
)
明けなくつたつて、いゝぢやありませんか。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「でも
宅
(
うち
)
の
事
(
こと
)
を
始終
(
しじゆう
)
淋
(
さむ
)
しい/\と
思
(
おも
)
つてゐらつしやるから、
必竟
(
ひつきやう
)
あんな
事
(
こと
)
を
仰
(
おつ
)
しやるんでせう」と
前
(
まへ
)
と
略
(
ほゞ
)
似
(
に
)
た
樣
(
やう
)
な
問
(
とひ
)
を
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
会長の
吉井
(
よしい
)
夫人も久し振りで皆様に御目にかかって、精一杯面白い話でも承わり鬱積した悩みを忘れ
度
(
た
)
いと
仰
(
おつ
)
しゃるので、古い名簿を捜し出して
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「はあ」と
言
(
い
)
つて、
閭
(
りよ
)
は
二足
(
ふたあし
)
三足
(
みあし
)
歩
(
ある
)
いてから
問
(
と
)
うた。「それから
唯今
(
たゞいま
)
寒山
(
かんざん
)
と
仰
(
おつ
)
しやつたが、それはどう
云
(
い
)
ふ
方
(
かた
)
ですか。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
銭が儲かるの儲からんのと政治家や文学者を気取る先生方が俗な事を
仰
(
おつ
)
しやる。銭が儲けたいなら僕の
所為
(
まね
)
をし給へ。
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
無論
(
むろん
)
千葉
(
ちば
)
さんの
方
(
はう
)
からさとあるに、おやあの
無骨
(
ぶこつ
)
さんがとて
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
すに、
奧樣
(
おくさま
)
苦笑
(
にがわら
)
ひして
可憐
(
かわい
)
さうに
失敗
(
しくじり
)
の
昔
(
むか
)
し
話
(
ばな
)
しを
探
(
さぐ
)
り
出
(
だ
)
したのかと
仰
(
おつ
)
しやれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「私、たゞあなたが
仰
(
おつ
)
しやつたお言葉を御注意したまでゝございます。あなたは、罪は悔恨をもたらすと仰しやいました。また悔恨は人生の毒だと仰しやいました。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『まアそないに
仰
(
おつ
)
しやらんと、こんなとこへでも、これを
御縁
(
ごえん
)
にまたお越しなはつとくれやす。』と、
女房
(
にようばう
)
は口元に
靨
(
ゑくぼ
)
を
拵
(
こし
)
らへて、青い切符と釣錢の銅貨とを持つて來た。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
あの和尚さんは
仰
(
おつ
)
しやつた。一度心中しそこなつたものは永久に心中のしそこなひをするものだ。姉を姦したものは、又必ずその妹を姦するものだとかう仰しやいました。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
一通り御聞なされて下さりませ
貴方
(
あなた
)
の
樣
(
やう
)
に
仰
(
おつ
)
しやつた
計
(
ばか
)
りでは
譯
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
りませず私共の申事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彦三郎 (堪へかねて。)では、どうしても出來ぬことだと
仰
(
おつ
)
しやるのでござりますか。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
十二年も殿様の役目を勤めて下すつたに
拘
(
かかは
)
らず、お礼の金をたつた十二円だけ
貰
(
もら
)
はうと
仰
(
おつ
)
しやつたので大臣は余り金高が少いのにびつくりして
暫
(
しばら
)
くの間は物が言へませんでしたが
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「先生、
何
(
ど
)
うか
御戯談
(
ごぜうだん
)
を
仰
(
おつ
)
しやらないで下さい。私は
疝気
(
せんき
)
を病んでるんですから。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『先生に
判
(
わか
)
りはしませんよ。ねえお嬢様。お
父様
(
とうさま
)
に
仰
(
おつ
)
しやらしないでせう。』
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
あの、
現界
(
げんかい
)
の
景色
(
けしき
)
と
同一
(
どういつ
)
かと
仰
(
おつ
)
ッしゃるか……
左様
(
さよう
)
でございます。
格別
(
かくべつ
)
異
(
ちが
)
っても
居
(
お
)
りませぬが、ただ
現界
(
げんかい
)
の
山
(
やま
)
よりは
何
(
なに
)
やら
奥深
(
おくぶか
)
く、
神
(
かみ
)
さびて、ものすごくはないかと
感
(
かん
)
じられる
位
(
くらい
)
のものでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「まア、
貴嬢
(
あなた
)
、飛んでも無いこと
仰
(
おつ
)
しやいます、此上貴嬢が退会でもなさろものなら、教会は
全
(
まる
)
で
闇
(
やみ
)
ですよ、篠田さんの御退会で——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「本当ですか。本当ですか。本心でさう
仰
(
おつ
)
しやつてゐるのですか。まさか、口先
丈
(
だけ
)
で云つていらつしやるのぢやありますまいね。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「えゝ、
行
(
い
)
つて
来
(
き
)
ました。
何
(
なん
)
ださうです。
明日
(
あした
)
御引移
(
おひきうつ
)
りになるさうです。
今日
(
けふ
)
是から
上
(
あ
)
がらうと思つてた所だと
仰
(
おつ
)
しやいました」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬車が来ました。岩「おゝ、お
立派
(
りつぱ
)
な馬車だ、大きな
方
(
かた
)
だね。婆「あの
方
(
かた
)
は
山岡鉄太郎様
(
やまをかてつたらうさま
)
と
仰
(
おつ
)
しやるお
方
(
かた
)
です。岩「
側
(
そば
)
に
何
(
なに
)
か二人
附
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
るね。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
とても
相談
(
さうだん
)
の
相手
(
あいて
)
にはならぬの、いはゞ
太郎
(
たらう
)
の
乳母
(
うば
)
として
置
(
お
)
いて
遣
(
つか
)
はすのと
嘲
(
あざけ
)
つて
仰
(
おつ
)
しやる
斗
(
ばかり
)
、ほんに
良人
(
おつと
)
といふではなく
彼
(
あ
)
の
御方
(
おかた
)
は
鬼
(
おに
)
で
御座
(
ござ
)
りまする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
天台
(
てんだい
)
國清寺
(
こくせいじ
)
の
豐干
(
ぶかん
)
と
仰
(
おつ
)
しやる。」
閭
(
りよ
)
はしつかりおぼえて
置
(
お
)
かうと
努力
(
どりよく
)
するやうに、
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めた。「わたしもこれから
台州
(
たいしう
)
へ
往
(
ゆ
)
くものであつて
見
(
み
)
れば、
殊
(
こと
)
さらお
懷
(
なつ
)
かしい。 ...
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「おい、圓三郎、——ちよいと來てくれ、錢形の親分が、訊きたいことがあると
仰
(
おつ
)
しやる」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
玄竹
(
げんちく
)
さまは、わたくしがお
火
(
ひ
)
のことをおしと
言
(
い
)
つて、ひをしと
訛
(
なま
)
るのをお
笑
(
わら
)
ひになりますが、
御自分
(
ごじぶん
)
は、しをひと
間
(
ま
)
ちがへて、
失禮
(
しつれい
)
をひつれい、
質屋
(
しちや
)
をひち
屋
(
や
)
と
仰
(
おつ
)
しやいます。ほゝゝゝゝゝ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
大佐閣下
(
たいさかつか
)
も
餘程
(
よほど
)
前
(
まへ
)
から
此
(
この
)
企
(
くはだて
)
はあつたので、すでに
製圖
(
せいづ
)
まで
出來
(
でき
)
て
居
(
を
)
るのだが、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
方
(
ほう
)
が
急
(
いそ
)
がしいので、
力
(
ちから
)
を
分
(
わ
)
ける
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ず、
何
(
いづ
)
れ
艇
(
てい
)
の
竣成
(
しゆんせい
)
後
(
ご
)
、
製造
(
せいぞう
)
に
着手
(
かゝ
)
らうと
仰
(
おつ
)
しやつて
居
(
い
)
るのだが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
或時
(
あるとき
)
にね、カンタイといふ人が、孔子様を憎んで、
斧
(
をの
)
で
斬殺
(
きりころ
)
さうとしたのさ。所が孔子様は、(天、徳を
吾
(
われ
)
に
為
(
な
)
せり、カンタイ
夫
(
そ
)
れ
吾
(
われ
)
を
奈何
(
いかん
)
。)と
仰
(
おつ
)
しやつて、泰然自若として
坐
(
すわ
)
つていらしたんだ。
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
「奥さん、キュラソオでもお上んなさいツ」と
仰
(
おつ
)
しやるの。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
段右衞門に向ひ
是々
(
これ/\
)
重四郎ではない段右衞門殿
夫
(
そん
)
な譯の
分
(
わか
)
らぬ
強情
(
がうじやう
)
は
止
(
よし
)
にしろ今
奉行
(
ぶぎやう
)
樣の
仰
(
おつ
)
しやる通りだ
幾等
(
いくら
)
其方
(
そなた
)
が
隱
(
かく
)
して白状
爲
(
せ
)
ねばとて
命
(
いのち
)
の
繋
(
つな
)
がる事は
金輪
(
こんりん
)
ざい
有
(
あり
)
ア
爲
(
し
)
ねへ
夫
(
それ
)
迚も三五郎と申合したかは知ねヱが今と
成
(
なつ
)
ては
未練
(
みれん
)
な男だ
誠
(
まこと
)
に
苦
(
くる
)
しみ
惜
(
をし
)
みの
人間
(
にんげん
)
だなア掃部や藤兵衞茂助の二人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「現に伯母さん、貴女の所へ私の両親も来る、
貴女
(
あなた
)
の旦那様も来ると
仰
(
おつ
)
しやつたでせう——怪物でも、不思議でもありませんよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
貴方
(
あなた
)
が、
幾何
(
いくら
)
仰
(
おつ
)
しやつても、僕は政治などには、興味が向かないのです。殊に現在のやうな議会政治には、何の興味も持つてゐないのです。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「妙なものつて、
旨
(
うま
)
いぜ
食
(
く
)
つて見ろ。
是
(
これ
)
はね、僕がわざ/\先生に
見舞
(
みやげ
)
に買つて
来
(
き
)
たんだ。先生はまだ、これを
食
(
く
)
つた事がないと
仰
(
おつ
)
しやる」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おぬひ
惘
(
あき
)
れて
貴君
(
あなた
)
は
其樣
(
そのやう
)
の
事
(
こと
)
正氣
(
せうき
)
で
仰
(
おつ
)
しやりますか、
平常
(
つね
)
はやさしい
方
(
かた
)
と
存
(
ぞん
)
じましたに、お
作樣
(
さくさま
)
に
頓死
(
とんし
)
しろとは
蔭
(
かげ
)
ながらの
嘘
(
うそ
)
にしろあんまりでござります
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
前
(
まへ
)
はどうも
不開化
(
ふかいくわ
)
の事ばかり
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るが、どうか
然
(
さ
)
うなく
開化
(
かいくわ
)
の話をしたら
宜
(
よ
)
からう、西洋の話をした事があるかと
仰
(
おつ
)
しやいました、
左様
(
さやう
)
でございます
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
又
(
また
)
地面
(
ぢめん
)
?
何時迄
(
いつまで
)
もあの
事
(
こと
)
ばかり
考
(
かんが
)
へて
入
(
い
)
らつしやるのね。だつて、
貴方
(
あなた
)
が
萬事
(
ばんじ
)
宜
(
よろ
)
しく
願
(
ねが
)
ひますと、
叔父
(
をぢ
)
さんに
仰
(
おつ
)
しやつたんでせう」と
云
(
い
)
ふ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と死んでプウと息の止まつた時に
此心
(
このこゝろ
)
は
何処
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くかと
云
(
い
)
ふ……
何処
(
どこ
)
へ
参
(
まゐ
)
りませう、
是
(
これ
)
は
皆様方
(
みなさまがた
)
を
伺
(
うかが
)
つたら
何処
(
どこ
)
と
仰
(
おつ
)
しやるか
知
(
し
)
りませんが、
円朝
(
ゑんてう
)
には
分
(
わか
)
りません。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
はじめは
小言
(
こごと
)
を
仰
(
おつ
)
しやつたり、
異見
(
いけん
)
を
遊
(
あそ
)
ばしたり、
諭
(
さと
)
したり、
慰
(
なぐさ
)
めたり
遊
(
あそ
)
ばしたのなれど、いかにも
私
(
わたし
)
の
強情
(
がうじやう
)
の
根
(
ね
)
が
深
(
ふか
)
く、
隱
(
かく
)
しだてを
遊
(
あそ
)
ばすといふを
楯
(
たて
)
に
取
(
と
)
つて
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
貴方
(
あなた
)
の
仰
(
おつ
)
しやる所は
一々
(
いち/\
)
御尤もだと思ひますが、
私
(
わたくし
)
には結婚を承諾する程の勇気がありませんから、
断
(
ことわ
)
るより外に仕方がなからうと思ひます」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それからして
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
らぬと
仰
(
おつ
)
しやりまする、
左
(
さ
)
うかと
言
(
い
)
つて
少
(
すこ
)
しなりとも
私
(
わたし
)
の
言條
(
いひでう
)
を
立
(
た
)
てゝ
負
(
ま
)
けぬ
氣
(
き
)
に
御返事
(
おへんじ
)
をしましたら
夫
(
それ
)
を
取
(
とつ
)
てに
出
(
で
)
てゆけと
言
(
い
)
はれるは
必定
(
ひつぢやう
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あれは。近「
絵草紙
(
ゑざうし
)
だよ。梅「へえゝ
綺麗
(
きれい
)
なもんですな、
撫
(
なで
)
て見ちやア
解
(
わか
)
りませんが、
此間
(
このあひだ
)
池田
(
いけだ
)
さんのお
嬢
(
ぢやう
)
さまが、
是
(
これ
)
は
絵
(
ゑ
)
だと
仰
(
おつ
)
しやいましたが
解
(
わか
)
りませんでした。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「さう
仰
(
おつ
)
しやるけれど、
是
(
これ
)
が
坂井
(
さかゐ
)
さんでなくつて、
宅
(
うち
)
で
御覽
(
ごらん
)
なさい。
貴方
(
あなた
)
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
にぐう/\
寐
(
ね
)
て
入
(
い
)
らしつたら
困
(
こま
)
るぢやないの」と
御米
(
およね
)
が
宗助
(
そうすけ
)
を
遣
(
や
)
り
込
(
こ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
なりと
仰
(
おつ
)
しやれ、
言譯
(
いひわけ
)
は
後
(
のち
)
にしまするとて
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りて
引
(
ひ
)
けば
彌次馬
(
やぢうま
)
がうるさいと
氣
(
き
)
をつける、
何
(
ど
)
うなり
勝手
(
かつて
)
に
言
(
い
)
はせませう、
此方
(
こちら
)
は
此方
(
こちら
)
と
人中
(
ひとなか
)
を
分
(
わ
)
けて
伴
(
ともな
)
ひぬ。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼奴
(
あいつ
)
が、
己
(
おれ
)
を
置去
(
おきざ
)
りにして先へ
帰
(
けへ
)
りやアがつたが、
岩田屋
(
いはたや
)
さんは親切だから
此方
(
こつち
)
へ
来
(
き
)
な、
浜
(
はま
)
は
贔屓強
(
ひいきづえ
)
えから
何
(
なん
)
でも
来
(
き
)
ねえと
仰
(
おつ
)
しやるので、
他
(
ほか
)
に
手曳
(
てひき
)
がねえから
松
(
まつ
)
を
連
(
つ
)
れていくと
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「だつて、
兄
(
にい
)
さんが
留守勝
(
るすがち
)
で、嘸御
淋
(
さむ
)
しいでせうなんて、あんまり
思遣
(
おもひや
)
りが
好過
(
よす
)
ぎる事を
仰
(
おつ
)
しやるからさ」と云ふ言葉があつた。代助は
其所
(
そこ
)
へ自分を
挟
(
はさ
)
んだ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
よく
早速
(
さつそく
)
おわかりになりましたな、
昨日
(
きのふ
)
まで
大塚
(
おほつか
)
にお
置
(
お
)
き
申
(
まを
)
したので
御座
(
ござ
)
りますが
何分
(
なにぶん
)
もう、その
何
(
なん
)
だか
頻
(
しき
)
に
嫌
(
いや
)
におなりなされて
何處
(
どこ
)
へか
行
(
ゆ
)
かう
行
(
ゆ
)
かうと
仰
(
おつ
)
しやる
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
実
(
じつ
)
に
此度
(
このたび
)
の
大喪使長官様
(
たいさうしちやうくわんさま
)
といふのは、
夜
(
よる
)
もトロ/\
睡
(
まど
)
ろみたまふ事もございませんといふ、
大層
(
たいそう
)
御丁寧
(
ごていねい
)
に
仰
(
おつ
)
しやいますから、
私
(
わたくし
)
どもには
些
(
ち
)
と
舌
(
した
)
が
廻
(
まは
)
らなくつて
云
(
い
)
ひにくいくらゐで
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
物
(
もの
)
いふ
聲
(
こゑ
)
がけんどんで
荒
(
あら
)
らかで、
假初
(
かりそめ
)
の
事
(
こと
)
にも
婢女
(
をんな
)
たちを
叱
(
しか
)
り
飛
(
と
)
ばし、
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
をば
尻目
(
しりめ
)
にお
睨
(
にら
)
み
遊
(
あそ
)
ばして
小言
(
こごと
)
は
仰
(
おつ
)
しやらぬなれども
其
(
その
)
お
氣
(
き
)
むづかしい
事
(
こと
)
と
言
(
い
)
ふては
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
うも
怪
(
け
)
しからぬことを
仰
(
おつ
)
しやるねお
前
(
まへ
)
さんは、
私
(
わたし
)
も
随分
(
ずゐぶん
)
諸家様
(
しよけさま
)
へお
出入
(
でいり
)
をするが、
塵
(
ちり
)
ツ
葉
(
ぱ
)
一
本
(
ぽん
)
でも
無断
(
むだん
)
に持つて来た事はありませぬよ。甚「いゝえ
夫
(
それ
)
でも
確
(
たしか
)
に持つて来なすつた。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“仰”を含む語句
仰向
被仰
仰臥
仰山
仰反
仰付
仰々
欽仰
仰有
大仰
渇仰
御仰
仰言
有仰
仰聞
仰天
振仰
随喜渇仰
讃仰
渇仰者
...