“かな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カナ
語句割合
20.0%
16.5%
13.7%
11.2%
8.9%
6.3%
4.4%
3.1%
可成2.1%
仮名2.1%
1.7%
1.6%
1.3%
1.2%
0.8%
0.6%
假名0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.2%
仮字0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
加奈0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
佳奈0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
可悲0.1%
可愛0.1%
可憐0.1%
哉乎0.1%
0.1%
愛悲0.1%
0.1%
0.1%
賀名0.1%
0.1%
鹿鳴0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御身おんみの位地として相当の準備なくてはかなはず、第一病婦の始末だに、なほきがたき今日の場合、如何いかんともせんやうなきを察し給へ。
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
って、あたりを見𢌞みまわしたとき袖子そでこなにがなしにかなしいおもいにたれた。そのかなしみはおさなわかれをげてかなしみであった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「とてもやすく仕切るので、素人しろうとの商売人にはかなわないよ。復一、お前は鼎造に気に入っているのだから、代りにたんまりふんだくれ」
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
これ必ずしも意外ならず、いやしくも吾が宮の如く美きを、目あり心あるもののたれかは恋ひざらん。ひとり怪しとも怪きは隆三のこころなるかな
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さてまたわれらの情は、たゞ聖靈のこゝろかなふものにのみもやさるゝが故に、その立つる秩序によりてとゝのへらるゝことを悦ぶ 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かれは、このつめたいかぜが、かえって、かなしい自分じぶんむねにしみるように、いつまでもここにいて、かぜかれていたい気持きもちがしました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
琴台きんだいの上に乗せてあるのは、二げん焼桐やきぎり八雲琴やくもごと、心しずかにかなでている。そして、ふとことの手をやめ、蛾次郎がじろうのほうをふりかえった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども、まだ初心のこととて、自分の腕にかないそうなものでなければ手が附きません。そこで思い附いて彫り出したのが鼠であった。
何とつても探偵小説でその構想の卓拔、トリツクの妙味、筋の複雜、心理解剖の巧さ、文章の流麗、それに可成かなりな藝術味を加へて
探偵小説の魅力 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
では自分で仮名かなの一字でも教えてくれたか。父はそれもしない。そしてただ、終日酒を飲んでは花をひいて遊び暮したのだった。
水仙と寒菊の影、現なくうつらふ観れば現なし、さびしかりけり。近々と啼き翔る鵯、遠々とひびく浪の。誰か世を常なしと云ふ、久しともかなしともへ。
もつとも、加州かしう金石かないはから——蓮如上人れんによしやうにん縁起えんぎのうち、よめおどしの道場だうぢやう吉崎よしざきみなと小女郎こぢよらう三國みくにつて、かなさきかよ百噸ひやくとん以下いか汽船きせんはあつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とにもかくにも今一目見ずば動かじと始におもひ、それはかなはずなりてより、せめて一筆ひとふで便たより聞かずばと更に念ひしに、事は心とすべたがひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
歌声につれて、鼠は嚢中より出で来り、仮面めんを蒙り、衣装を着けて舞台に登場し、立ちて舞へり。男女悲歓のさま悉く劇中の関目にかなへりといふ。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
おまえにもいろいろ世話せわになりました……。』こころなかでそうおもっただけでしたが、それはかならずうまにもつうじたことであろうとかんがえられます。
カフエーなどを歩き廻つたりすることがかなはぬのが、結局母親と自分の間を険悪にしてゐるのは承知してゐるものの
裸虫抄 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
むかうて筋違すぢつかひかどから二軒目けんめちひさなやなぎが一ぽんひくえだのしなやかにれた葉隱はがくれに、一間口けんぐちまい腰障子こししやうじがあつて、一まいには假名かな、一まいには眞名まな豆腐とうふいてある。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
古代相承していわく、これ大天(ヒンズー教のシワ大神)の部属で、性三宝を愛し、五衆を護持し、損耗なからしむ。求むる者情にかなう。
「こんど来る時には、メンデルスゾンのものを買つて来てね、いつそかなしい方が慰めだわ、新しい、騒々しいのは厭……」
繰舟で往く家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
「拙者の以前まえに持っておった者が、やはり三つの願をかけて、それも三つともかなったとか聞き及んでおるが——。」
閑子はひのえうまの迷信や家族制度のかなしばりなどをけとばして、人間の愛情の尊さを知るべきであったのだ。
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
また本居宣長もとおりのりながおうもやはり『古事記伝』の初めの総論に「仮字かなの事」という条に、明らかに音の区別であったといっているのであります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
かように一面には当時の所謂いわゆる文壇が、予に実にかなわざる名声を与えて、見当違の幸福を強いたと同時に、一面には予が医学を以て相交わる人は
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
袴を取って踊り出すものもあればお菊のかなでる三味線に合わせて渋い喉を聞かせるものも出て来た。それが又卜翁には面白いと見えてご機嫌はよくなるばかりである。
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
仙太は、この町での飲みがしらであった。酒にかけてはかなうものがいない。この親爺が白面しらふで歩いているのを、町の人たちは見かけたことがないという。
凍雲 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
しかれどもかみ和ぎ、しもむつびて、事をあげつらふにかなふときは、すなは事理ことわり自らに通ふ、何事か成らざらむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「お内儀お加奈かなさんが、雪で拵へた人形のやうに、ヒヤリとする程素つ氣ない癖に、何んかの彈みで、たまらないほど色つぽいところのあるのを見付けたんで」
然るに戴笠の岩国に来たのは、僧となつて独立どくりふと号した後で、寛文中の事となるらしい。嵩山の歿年万治二年と云ふにかなはない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
拔より早く切付れば流石さすが不敵の曲者も二人が太刀先にかなひ難く河原の方へ逃行にげゆきしが以前の女の彷徨さまよひ居たるを其儘に引抱へ又かけ出せば九郎兵衞は遣らじと後よりとび掛れば忌々いま/\敷やと惡漢は女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかれども(一一五)はやうれひけいせらるるにすくふ※あたはず。呉起ごき武矦ぶこうくに形勢けいせいの・とくかざるをもつてす。しかれどもこれおこなふや、(一一六)刻暴こくばう少恩せうおんもつ其躯そのみうしなふ。かなしいかな
鐘のひびきのかなしくも
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
かなしみのゆるに似たりかまつかの濡れてかなしきあけの小さきは
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
まる淑女レディ扮装いでたちだ。就中なかんづく今日はめかしてをつたが、何処どこうまい口でもあると見える。那奴あいつしぼられちやかなはん、あれが本当の真綿で首だらう
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こは事難ことむづかしうなりぬべし。かなはぬまでも多少は累を免れんと、貫一は手をこまぬきつつ俯目ふしめになりて、つとめてかかはらざらんやうに持成もてなすを、満枝は擦寄すりよりて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「うまいことおっしゃって」河本佳奈かなは上眼づかいに彼をにらんだ、「それならいまは嫌われてもいいんですか」
改訂御定法 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
万葉集の詞書には、「有間皇子自らかなしみて松が枝を結べる歌二首」とあるのは、以上のような御事情だからであった。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「何とでもおっしゃい。どうせあなたにはかないませんよ」と、お梅は立ち上りながら、「御膳ごぜんはお後で、皆さんと御一しょですね。もすこししてからまた参ります」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
さすがに人に誇っておりました源の怪力も、恋の力にはかないません。源は怒の為に血を注いだようになりまして、ののしって見ても、叱って見ても、狂乱くるいみだれた馬の耳には何の甲斐かいもない。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その場所ばしよまつたくぼくつたのである、後背うしろがけからは雜木ざふきえだかさかさねておほひかゝり、まへかなひろよどみしづかうづまいながれてる。足場あしばはわざ/\つくつたやうおもはれるほど具合ぐあひい。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
火鉢ひばちりて宮は、我をうしなへるていなりしが、如何いか思入おもひいり、思回おもひまは思窮おもひつむればとて、解くべきにあらぬ胸の内の、つひに明けぬやみ彷徨さまよへる可悲かなしさは
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一すぢに求め求めてやまざりしわかき日のわがすがた可愛かなしも
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
ひっそりと、はかなく花を開いている小さな植物の可憐かなしさだった。愛情よりも愛憐を、男の心のうちに掻き立たせる、いたいたしさだった。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
武矦ぶこう西河せいがうかびてくだる、中流ちうりうにしてかへりみて呉起ごきつていはく、『なる哉乎かな山河さんがかため、魏國ぎこく寶也たからなり』と。こたへていはく、『((國ノ寶ハ))とくりてけんらず。 ...
多摩川にさらす手作りさらさらに何ぞこの許多ここだかなしき。こう万葉に詠まれたところのその景色のよい多摩川で彼は終日狩り暮した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「吾は既に先の事を忘れたり。然れどもいまし志を守り命を待ちて、徒に盛の年を過ぐししこと、これいと愛悲かなし」とのりたまひて、御心のうちに召さむとおもほせども
これに対してわたくしはただ是非判別の識見に富まざることをかなしまなければならない。しかしただ一言、わたくしは言うべき事を知っている。事の勝敗はその事に当る人物の如何いかんに因る。
冬日の窓 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わが耳にかなづる歌は
玉盃の曲 (新字旧仮名) / 漢那浪笛(著)
賀名かな川のほうにも同じようなことがありますよ」と老婆は続けた、「賀名川と安井川と合わさるところに幡野という村がありますがね、そこも五年まえあゆ漁のお止め場になって、 ...
若き日の摂津守 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
エヽそんならコウ鐵槌かなづちがあらばつてしねえ。女「オホホ、かなさいこづちことかいな、ソレなんちふさんすのぢやいな。「イヤあの箱枕はこまくら此柱このはしらへうちつけてちながらるつもりだ。 ...
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鹿鳴かなく山べに駒を馳せ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)