“がな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
我鳴55.2%
13.8%
6.9%
哦鳴6.9%
3.4%
仮名3.4%
俄鳴3.4%
呶鳴3.4%
3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのあとはみんな勝手に、てん/″\ばら/\に好きなことを我鳴がなり散らして、誰も他人の云うことなんぞに耳を傾ける者はなかった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
林太郎はなんだかものがなしくなりました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
それは彼と何のかかわりもない、ものがなしい歴史のなかの一情景のようにおもえて来る。もの哀しい盲目の群のように、電車の終点駅で、人々は暗闇のなかの階段を黙々と昇って行った。
死のなかの風景 (新字新仮名) / 原民喜(著)
田舎者いなかものめが、都会に出て来て茶屋遊の ABC を学んで居るなんて、ソンナ鈍いことでは生涯役に立たぬぞと云うような調子で哦鳴がなり廻って、実際においてその哦鳴る本人は決して浮気でない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「まがなしみらくはしけらくさらくは伊豆の高嶺たかね鳴沢なるさはなすよ」(三三五八或本歌)などでも東歌的動律だが、この方には繰返しが目立つのに
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
がなしみさ鎌倉かまくら美奈みな瀬河せがはしほつなむか 〔巻十四・三三六六〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
原文の方はどうか分らぬが、写しの方は誤字誤文がはなはだしく、仮名がな等にも覚束おぼつかない所が多々あって、到底とうてい正式の教養ある者の筆に成ったとは信ぜられない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
市甚彦 (三人は口々に「邪魔だ退け」「退けったら退け」「退かねえか野郎」と騒々しく俄鳴がなり立てている)
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
甲「此処でそんなに呶鳴がなっても先方むこうまで聞えねえ、作右衞門さくえもんどん、おめえさんは年寄では有るし、月番だから先方へ往って言柔ことやわらかに話をぶッて来てもれえてえが、往って来ておくんなせえな」
側に女さア附いているだて撃つことが出来ねえだ、己アでけえ声で、女郎めろう退けやアとがなっても退かねえでな、手を合せて助けてくれちッて泣くでえ、女郎退かねえばっ殺すぞと云っても逃げねえだ
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)