“かの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カノ
語句割合
65.9%
狩野12.5%
10.2%
2.3%
1.1%
1.1%
1.1%
1.1%
1.1%
1.1%
1.1%
鹿野1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの「怙を喪つて久からずして」退隠したと云ふ説は、斟酌して聞くべきである。わたくしは後に至つて又此問題に立ち帰るであらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
和十は河東節かとうぶしの太夫、良斎は落語家、北渓は狩野かの家から出て北斎門に入った浮世絵師、竹内は医師、三竺、喜斎は按摩あんまである。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
吾はどのみち助からないと、初手ッから断念あきらめてるが、お貞、お前の望がかのうて、後で天下ばれたのしまれるのは、吾はどうしても断念められない。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すべての事は、きょうの夜明けに、大七から越前守御父子へ申し告げてやった……。そして、ここに自分の心の底をのべて、恩師の御息女におわびすることもかのうた。本懐ほんかいです。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手にかけたる者なれば解放ときはなせしとてすぐ音羽おとはかへさば如何なる災禍わざはひおこらんも計られず又かの親子しんしも家主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
付しは大方おほかた弟なる此家主の庄兵衞めに頼れてのわざなる可しかの庄兵衞は日頃ひごろよりお光さんには深く戀慕れんぼし度々口説くどけど云う事をきかぬ所より遺恨をふくみ元益坊主を頼込み此婚姻を邪魔じやま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
慕い合って望みがかのうた、おまえの両親に対しては、どうしてもその味を知らせよう手段がなかった。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子路、子羔しこうをしてさいたらしむ。子曰く、かの人の子をそこなわん。子路曰く、民人あり、社稷あり、何ぞ必ずしも書を読みて、然して後学びたりと為さん。子曰く、是の故にかの佞者くちさときものを悪む。(二五)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
中納言家には御存じゆゑ斯樣かやうに仰上られしものなるべし此時このとき將軍には御不審の體にて御在おはしますにぞ又申上らるゝ樣はかの綸言りんげんあせの如しまた武士ぶしに二言なしとか君のお目鏡めがねにて名奉行と仰せられ候越前天下の御ため
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
友仁はその馬前へ往ってはかりごとを献じたところが、それが月沙の意にかのうて、脱公の幕僚に推薦してくれた。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
二の矢を射損じ第三の矢で蜈蚣を射留めたと言うに類した那智の一蹈韛ひとつたたらちゅう怪物退治の話がある、また『近江輿地誌略』に秀郷竜女とかのうたという談については
むかし桜子さくらこという娘子おとめがいたが、二人の青年にいどまれたときに、ひとりの女身にょしんを以て二つの門に往きかのあたわざるを嘆じ、林中に尋ね入ってついに縊死いしして果てた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
寛永年中のことなり安成久太夫やすなりきゅうだゆうといふ武士あり。備前因幡国換くにがへの時節にて、いまおる屋敷も定まらず、鹿野かの(今の気高けたか郡鹿野町)のざいに仮に住みけり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)