かな)” の例文
然るに矛盾に滿ちて居る人の世は、如何なる時に於ても、人の望にかなつた無疾病の世といふものが現在した例を見せて居ない。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かように一面には当時の所謂いわゆる文壇が、予に実にかなわざる名声を与えて、見当違の幸福を強いたと同時に、一面には予が医学を以て相交わる人は
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かみの御意図にかなうわけで、必ずお気に入りましょう。
この柵草紙の盛時が、即ち鴎外という名の、毀誉褒貶きよほうへん旋風つむじかぜ翻弄ほんろうせられて、予に実にかなわざるいつわりの幸福を贈り、予に学界官途の不信任を与えた時である。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)