凍雲とううん
秋田市から北の方へ、ものの一時間も汽車に揺られてゆくと、一日市という小駅がある。ここから軌道がわかれていて、五城目という町にいたる。小さな町である。封建時代の殻の中に、まだ居眠りをつづけているような、どこやら安閑とした町である。現に、一日市 …