“奪取”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だっしゅ36.4%
うばいと13.6%
うばひと9.1%
ひったく9.1%
うばひとり4.5%
ふんだく4.5%
うばいとら4.5%
うばひとら4.5%
とら4.5%
ばいと4.5%
ばひと4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今暁、つかの奪取だっしゅされた犬山落城の事実だった。家康は、小牧と楽田のあいだに馬をたて、羽黒、犬山附近にわたる幾ヵ所もの煙を凝視しながら
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日曜日に物見遊山ゆさんに出掛け汽車の中の空席を奪取うばいとろうがためには、プラットフㇹームから女子供を突落す事を辞さないのも、こういう人達である。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼の先生の手から職業を奪取うばひとつたのも、彼様いふ病気に成る程の苦痛くるしみめさせたのも、畢竟つまりの社会だ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わたくしは余り嬉しいから二枚一緒に奪取ひったくりましたものか、一枚遣ろうと仰しゃったのはたしかに覚えて居ります、それを懐に入れてせっせと駈けてくと
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奪取うばひとり江戸へ名乘出んとは思しが師匠ししやう感應院かんおうゐんの口よりもれんも計りがたければ師匠は我十三歳の時に毒殺どくさつしたり尚も幼顏をさながほなくさん爲に九州へ下り熊本にて年月を經り大望を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かまあねえから奪取ふんだくつてやれ、らだらさうだ、いや本當ほんたうだとも、むこなんぞに威張えばられてるなんちことるもんか、卯平等うへいら根性こんじよう薄弱やくざだからやうねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
第一此罪人を男か女かとお考えなさい、アノ傷で見ればしぬる迄に余ほど闘った者ですが女ならアレほど闘う中に早く男に刃物を奪取うばいとられて反対あべこべに殺されます、又背中の傷はにげた証拠です
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
殺たるはわたくしにて馬士を殺し候は平四郎なりと申故シテ松葉屋へ金を預けんとせしは如何なる故ぞと有に源八其儀そのぎは私し共を確實たしかに見せ置松葉屋の案内あんない大方見定みさだめ候間同家の金銀奪取うばひとらん爲故と金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
現に、一日市で通っている駅名も、元々、この町の名で呼び慣らされていたものだったけれども、いつのまにか奪取とられてしまっていた。居眠りをしていたせいである。
凍雲 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
台所の豪傑儕ごうけつばら座敷方ざしきがた僭上せんじょう栄耀栄華えようえいがいきどおりを発し、しゃ討て、緋縮緬ひぢりめん小褄こづまの前を奪取ばいとれとて、かまど将軍が押取おっとった柄杓ひしゃくの采配、火吹竹の貝を吹いて、鍋釜の鎧武者が
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
臺所だいどころ豪傑儕がうけつばら座敷方ざしきがた僭上せんじやう榮耀榮華えいえうえいぐわいきどほりはつし、しやて、緋縮緬小褄ひぢりめんこづままへ奪取ばひとれとて、竈將軍かまどしやうぐん押取おつとつた柄杓ひしやく采配さいはい火吹竹ひふきだけかひいて、鍋釜なべかま鎧武者よろひむしや
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)