奪取だっしゅ)” の例文
今暁、つかの奪取だっしゅされた犬山落城の事実だった。家康は、小牧と楽田のあいだに馬をたて、羽黒、犬山附近にわたる幾ヵ所もの煙を凝視しながら
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
独裁党は本質的には、クーデターや暴力革命で政権を奪取だっしゅすることを目的とする。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
しかし星尾は豊乃に奪取だっしゅされたことを知らないらしい。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ここは一時開城して、ふたたび奪取だっしゅする機を待たれるように、という岐阜ぎふの信長からの来状だった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もし、今木の児島や、大安寺の松田勢が、輦輿のお道すじへ向って、その奪取だっしゅを計るなら——」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その勢力は微少びしょうだともいえるが、尼子一族と毛利家との闘争は、実に大永年間、毛利元就もうりもとなりが尼子経久領を奪取だっしゅして以来のもので、以後五十余年の長きあいだを、子々孫々にかけて
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一挙に浅井の本城小谷を奪取だっしゅしてしまうべきだと、木下殿が切に献言けんげんなされたそうだが、お用いもなく、その翌日、敵の出城でじろ、横山城だけを落して、木下殿をそこへ詰め置かれたまま、早速にも
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不破平四郎はまた、以前に倍した兵力で、洲股を奪取だっしゅによせかけた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)