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默禮
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もくれい
明て内より
白木の
箱と
黒塗の箱とを取出し伊賀亮が
前へ差出す時に伊賀亮は天一坊に
默禮し
恭しく
件の
箱の
紐を
解中より
御墨附と御
短刀とを
首卷のはんけち
俄かに
影を
消して、
途上の
默禮とも千
歳の
名譽とうれしがられ、
娘もつ
親幾人に
仇敵の
思ひをさせて
我が
聟がねにと
夫れも
道理なり
含みつゝ三次の
側へさし寄て今より何卒御一所にお
連成れて下されと云へば三次は
默禮し
然程迄にも
逢度ば今夜
直にも同道せんと聞てお安は
飛立思ひそれは/\有難し先樣でさへ
夜分にても
能事成ば私しは
一刻も
疾く
逢度と悦ぶ
風情に長庵は