骨立ほねだ)” の例文
そのとき、母親ははおやのやせた姿すがたが、西日にしびけて、屋根やね灰色はいいろながかげをひきました。のつやもなく、脾腹ひばらのあたりは骨立ほねだっていました。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは白いひげ老人ろうじんで、たおれてえながら、骨立ほねだった両手りょうてを合せ、須利耶さまをおがむようにして、切なく叫びますのには
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
四邊あたりは斷草離離としてあとを着くべき道ありとも覺えず、荒れすさぶ夜々の嵐に、ある程の木々の葉吹き落とされて、山は面痩おもやせ、森は骨立ほねだちて目もあてられぬ悲慘の風景、聞きしに増りて哀れなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
粗剛そがうあつかはかこみからのがれて爽快さうくわい呼吸こきふ仕始しはじめたことをよろこぶやうにずん/\と伸長しんちやうして、つひにはつても/\、猶且やつぱりずん/\と骨立ほねだつてみきさらかたちづくられるほど旺盛わうせい活力くわつりよく恢復くわいふくするのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
骨立ほねだごは呼吸いきつまり
茴香 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)