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餌物
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えもの
ふりがな文庫
“
餌物
(
えもの
)” の例文
此
(
この
)
魚族
(
ぎよぞく
)
は、
極
(
きわ
)
めて
性質
(
せいしつ
)
の
猛惡
(
まうあく
)
なもので、
一時
(
いちじ
)
に
斯
(
か
)
く
押寄
(
おしよ
)
せて
來
(
き
)
たのは、
疑
(
うたがひ
)
もなく、
吾等
(
われら
)
を
好
(
よ
)
き
餌物
(
えもの
)
と
認
(
みと
)
めたのであらう。
私
(
わたくし
)
も
其
(
その
)
群
(
ぐん
)
を
見
(
み
)
て
忽
(
たちま
)
ち
野心
(
やしん
)
が
起
(
おこ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼は
餌物
(
えもの
)
をつかんでる
梟
(
ふくろう
)
のように
暗闇
(
くらやみ
)
に満足して、手探りに階段を上がってゆき、静かに戸を開いてまた閉ざし、何か物音が聞こえはしないかと耳を澄まし
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
運命の
鬼奴
(
おにめ
)
は、甘い
餌物
(
えもの
)
を与えて、人の心をためすのだ。そして、ちょっとでも心に隙があったなら、大きな真黒な口を開いて、ガブリと人を呑んでしまうのだ。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
凄い
面
(
つら
)
がまえにも似もやらず、捕まえた
餌物
(
えもの
)
をむしろ
嬲
(
なぶ
)
るかのように気が長いのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すべての猛獣の習性として、胃の中の
餌物
(
えもの
)
が完全に消化するまで、おそらく彼はそのポーズで永遠に眠りつづけて居るのだらう。赤道直下の
白昼
(
まひる
)
。風もなく音もない。
万象
(
ばんしよう
)
の死に絶えた
沈黙
(
しじま
)
の時。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
血をすする獣性、
餌物
(
えもの
)
をさがす飢えたる
貪欲
(
どんよく
)
、爪と
顎
(
あご
)
とをそなえ腹のみがその源であり目的である本能、それらのものは、平然たる幻の姿をおずおずとながめまたかぎまわす。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あの醜怪な毒虫は、どこかの隅に、
呼吸
(
いき
)
を殺して、じっと
餌物
(
えもの
)
を待っているのだ。と思うと、若い娘さんなどは、夜遊びの帰り途、暗い辻々を曲るのも、ビクビクものであった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼のうちには、
獰猛
(
どうもう
)
な者と巧妙な者とふたりの人間がいた。そしてその時までは、勝利に酔い、取りひしがれて身動きもしない
餌物
(
えもの
)
を前にして、獰猛な者の方が強く現われていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
餌物
(
えもの
)
欲しげに触手を動かしている、海藻の茂みの中へ姿を没して了ったのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
天のために地を犠牲にするのは、水に映った影を見て口の
餌物
(
えもの
)
を放すようなものです。無限なるものから欺かるるほど愚かなことはない。私は虚無である。私は自ら元老院議員虚無伯と呼ぶ。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
餌
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“餌”で始まる語句
餌
餌食
餌取
餌箱
餌差
餌壺
餌付
餌差町
餌料
餌肉