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雇婆
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やといばあ
ふりがな文庫
“
雇婆
(
やといばあ
)” の例文
この小犬に悩まされたものは、
雇婆
(
やといばあ
)
さん一人ではなかった。
牧野
(
まきの
)
も犬が畳の上に、寝そべっているのを見た時には、不快そうに太い
眉
(
まゆ
)
をひそめた。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
下宿屋
生活
(
ぐらし
)
より一躍して仮にも一家の
主
(
あるじ
)
となれば
自
(
おのずか
)
ら心
寛
(
くつろ
)
ぎて何事も愉快ならざるはなし、勝手を働くは小山が世話せし
雇婆
(
やといばあ
)
さん、これとて当座の間に合せ
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
という
中
(
うち
)
に
雇婆
(
やといばあ
)
さんが火を
点
(
とぼ
)
して来ましたから、見ると大の男が
乗掛
(
のッかゝ
)
って
床
(
とこ
)
が血みどりになって居ります。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
で、布団を胸へかけ、静かに
睡
(
ねむり
)
へ入ろうとした。すると襖がひっそりとあいて、
雇婆
(
やといばあ
)
さんが顔を出した。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お勝手の方でゴトゴトやっている六十がらみの
雇婆
(
やといばあ
)
さんに訊いても、その言葉に嘘はありません。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
小鍋立
(
こなべだて
)
というと洒落に見えるが、何、無精たらしい
雇婆
(
やといばあ
)
さんの
突掛
(
つッか
)
けの膳で、安ものの中皿に、
葱
(
ねぎ
)
と
菎蒻
(
こんにゃく
)
ばかりが、
堆
(
うずたか
)
く、狩野派末法の山水を見せると、
傍
(
かたわら
)
に竹の皮の
突張
(
つッぱ
)
った
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうお
蓮
(
れん
)
が書き続けていると、台所にいた
雇婆
(
やといばあ
)
さんが、突然かすかな叫び声を洩らした。この
家
(
うち
)
では台所と云っても、障子
一重
(
ひとえ
)
開けさえすれば、すぐにそこが板の
間
(
ま
)
だった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
留守番のお種は
雇婆
(
やといばあ
)
さんを
誤魔化
(
ごまか
)
してお勝手から抜け出し、そっと茶の木稲荷へ行ったのだよ、兵二郎は笛を吹いていた、笛は二本の手で吹くものだ、手は二本共
塞
(
ふさ
)
がっている
銭形平次捕物控:349 笛吹兵二郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
長二は其の頃両親とも
亡
(
なくな
)
りましたので、
煮焚
(
にたき
)
をさせる
雇婆
(
やといばあ
)
さんを置いて、独身で本所
〆切
(
しめきり
)
に
世帯
(
しょたい
)
を持って居りましたが、何ういうものですか弟子を置きませんから、下働きをする者に困り
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それにしても君一人では当分の内不便だろうから
雇婆
(
やといばあ
)
さんでも置かねばなるまい。僕の知った
桂庵
(
けいあん
)
があるからその方へ頼んでおこうと僕が今寄って来た。君の方は別にむずかしい支度はあるまい。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
牧野
(
まきの
)
の妻が訪れたのは、
生憎
(
あいにく
)
例の
雇婆
(
やといばあ
)
さんが、使いに行っている
留守
(
るす
)
だった。案内を請う声に驚かされたお
蓮
(
れん
)
は、やむを得ず気のない体を起して、薄暗い玄関へ出かけて行った。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
行灯
(
あんどん
)
の下には手負のお嘉代が、
雇婆
(
やといばあ
)
さんに
看護
(
みと
)
られて、ウトウトしている様子です。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雇
常用漢字
中学
部首:⾫
12画
婆
常用漢字
中学
部首:⼥
11画
“雇”で始まる語句
雇
雇人
雇入
雇主
雇傭
雇男
雇員
雇人達
雇女
雇聘