隕石いんせき)” の例文
日本で天火、英国で火竜ファイアドレークと言い、大きな隕石いんせきが飛びえるのだ。その他支那で亢宿こうしゅくを亢金竜と呼ぶなど、星を竜蛇と見立てたが多い。
それは或る科学者が想像するように他の星体から隕石いんせきに混入して地表にもたらされたとしても、少くとも有機物の存在に不適当だった地球は
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「どうだ、小生意気ではないか、——いいえ、星が流れたんです、隕石いんせきでございます、——と云った、そればかりならばまだしもじょすね。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして艇は人事不省の四人の体をのせたまま、闇黒あんこくの成層圏を流星のように光の尾をひき、大地にむかって隕石いんせきのような速さで落ちていくのであった。
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
流星がとぶのも、隕石いんせきがひらめくのも、この谷間では国じゅうのどこよりも頻繁だし、悪夢の魔女は九人の供をひきつれて、ここで跳びはねるのが好きらしい。
博士の二字がだんだん薄くなってげながら暗くなる事がある。時計がはるかな天から隕石いんせきのように落ちて来て、割れる事がある。その時はぴしりと云う音がする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大なる石は虚空こくうよりうなりの風音をたて隕石いんせきのごとく速かに落下しきたり直ちに男女を打ちひしぎ候。小なるものは天空たかく舞いあがり、大虚を二三日とびさまよひ候。
『井伏鱒二選集』後記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
生活も段々順調となって名声もまた次第に高く、これから新らしい運命を展開しようという処で意外な魔の手は忽然こつぜん隕石いんせきの如く落下してこの秀麗なる玉人を撃砕した。
このふしぎな鉄の球の起源については、いろいろな解釈もあるが、けっきょく流星が燃える時に、その本体たる隕石いんせきの鉄が、熔けてとび散ったものだということにおちついた。
黒い月の世界 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
太郎は、群がる犬の中に、隕石いんせきのような勢いで、馬を乗り入れると、小路を斜めに輪乗りをしながら、叱咤しったするような声で、こう言った。もとより躊躇ちゅうちょに、時を移すべき場合ではない。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その外に煙突の煙からはすすに混じて金属の微粒も出る、火山の噴出物もまた色々のちりを供給する。その上に地球以外から飛来する隕石いんせきの粉のようなものが、いわゆる宇宙塵コスミックダストとして浮游ふゆうしている。
塵埃と光 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「岩が一夜に生える例はいくらもある。隕石いんせきといって、空から降る」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(四)隕石いんせきあるいはガスの燃焼による球形の光。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
隕石いんせきがある。敵陣の上に血が降る。10860
隕石いんせきが空から落ちたようであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いいえ、ちがいますわ。宇宙塵というのは宇宙をとんでいる星のかけらのことです。つまり隕石いんせきも宇宙をとんでいるときは宇宙塵といえるわけです」
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隕石いんせきのように消えてしまう
それからもう一つは、大宗寺だいそうじの庭に落ちたけい五十センチの隕石いんせきのことだが、あれを掘りだして持っていったのが、この辻川博士だということまでは分った。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隕石いんせきの美しさに耀かがやけ。
「人工重力装置はぜったいに故障を起さないものとしてあったんだが、昨日大きな隕石いんせきが艇の機関室の外側へぶつかったことを知っているね。あれ以来、どうも調子がよくないんだよ」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「それはね、第一に隕石いんせきをふせぐために、これくらいの厚い装甲が必要なんだ」
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「とても大きい隕石いんせきが、ビルにぶつかったんだ。あたご山ぐらいの大きい隕石だったぜ。あんな大きなものにぶつかっては、どんなビルだってたまりゃしない。ああ、いけねえ、早くにげろ」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こちらに把手クランプがあります。これをねじると、ピントが月の表面からだんだんと地球の方へ近よって来ます。隕石いんせきが飛んでいるのが見えるでしょう。これで二千キロメートルだけ近くなりました。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
隕石いんせきのでかいのが落ちてきたんだ。めずらしいできごとだ」
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「星のかけら? じゃあ、隕石いんせきのこと」
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「じゃあ、隕石いんせきを拾うのですね」
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)