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ふりやみ
さて春を
迎へて寒気次第に
和らぎ、その年の
暖気につれて雪も
降止たる二月の
頃、
水気は
地気よりも
寒暖を
知る事はやきものゆゑ
最初に見出し候者は
私し
悴甚之助に御座候
其仔細は同日の
夕刻雪も
降止候に何となく
怪き
臭致せば近所の者共表へ
出で
穿鑿致し候に
何時何事にても人先に出て
世話致し候お三
婆のみ一人相見え申さざれば私し
悴甚之助
不審に存じ
渠が家の戸を
○かくて
産後日を
歴てのち、
連日の雪も
降止天気
穏なる日、
娵夫にむかひ、
今日は
親里へ
行んとおもふ、いかにやせんといふ。
(村々持分ンの定あり)二月にいたり雪の
降止たる頃、
農夫ら此山に
樵せんとて
語らひあはせ、
連日の
食物を
用意しかの山に入り、所を見立て
仮に小屋を作り、こゝを
寐所となし