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えつれき
ふりがな文庫
“
閲歴
(
えつれき
)” の例文
身をせめて深く
懺悔
(
ざんげ
)
するといふにもあらず、唯
臆面
(
おくめん
)
もなく身の耻とすべきことどもみだりに書きしるして、或時は
閲歴
(
えつれき
)
を語ると号し
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
彼が魏でも屈指の良将軍たることは誰も認めていたし、実戦の
閲歴
(
えつれき
)
も豊かで、曹操に仕えて以来の武勲もまた数えきれない程である。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その苦労はほとんど天下に
大名
(
たいめい
)
をなしたものの、堅忍苦耐したくらいなもんだよ、その
閲歴
(
えつれき
)
に対する報酬として、ただ、ひたすら
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
課長の言う通り、皆一癖も二癖もある。人数は五人だが、粒が揃っている。早分りのするようにこゝで
閲歴
(
えつれき
)
を紹介して置こう。
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
若い女の身で、鉄火の世界を渡り歩いていることだけは明瞭だが、どんな
閲歴
(
えつれき
)
を持ち、どんな親分の後楯があるか、さっぱり、わからない。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
▼ もっと見る
その夜、かれはおそろしい夢をみた——もしも次のような肉体的でかつ精神的な
閲歴
(
えつれき
)
を夢と呼ぶことができるとすれば。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
四十年来の
閲歴
(
えつれき
)
に
聞人達
(
もんじんたち
)
の
気風
(
きふう
)
を
呑込
(
のみこみ
)
たれば、
只
(
たゞ
)
で
諸名家
(
しよめいか
)
の
御休息所
(
ごきうそくじよ
)
を作り、
其
(
そ
)
の
御褒美
(
ごほうび
)
には
梅
(
うめ
)
一
本
(
ぽん
)
づゝ
植
(
うゑ
)
て
下
(
くだ
)
されと、
金
(
かね
)
と
卑劣
(
ひれつ
)
に
出
(
いで
)
ざる
名案
(
めいあん
)
、
梅
(
うめ
)
一
本
(
ぽん
)
の
寄附主
(
きふぬし
)
が
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
私は自分の
閲歴
(
えつれき
)
の上から、どうしても詩の将来を有望なものとは考えたくなかった。
弓町より
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
姉の
不二子
(
ふじこ
)
さんは今年二十二歳、仲々の才媛で、
内地
(
ないち
)
の女学校を卒業した上、外交官の伯父さんの監督で、二年程欧洲へ勉強に行っていたこともある位、類なき美貌の上にこの
閲歴
(
えつれき
)
だから
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
われ等は、地上生活中の自己の姓名を名告り、そして自己と同時代の
性行
(
せいこう
)
閲歴
(
えつれき
)
につきて、事こまやかに物語るであろう。さすれば、われ等が決してニセ物でないことは幾分明白になると思う。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
過去は夢の
閲歴
(
えつれき
)
だ
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
閲歴
(
えつれき
)
なども承って、愈〻思慕のおもいに駆られ、どうかして一度、会いたいものと念じていた願いかなって——今度の
下向
(
げこう
)
に、計らずも尊公が
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたくしが過去半生の
閲歴
(
えつれき
)
が、何だの
彼
(
か
)
だのと、そんな事から自然に生ずる信用が、どうだの、こうだのと、そんな
気障
(
きざ
)
な文句は言いたくもなければ、書きたくもない。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私は自分の
閲歴
(
えつれき
)
の上から、どうしても詩の将来を有望なものとは考へたくなかつた。
弓町より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
勝家は亡び、滝川一益も
零落
(
れいらく
)
してしまった今では、その
閲歴
(
えつれき
)
から、もののいえる人間は、かれ一人となっている。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大きな時代の
変革
(
へんかく
)
は、いまや西に秀吉、東に家康と、この両巨人をもって、時の
氏神
(
うじがみ
)
とあがめ、信長以前の老練家は、いくら、家格、
閲歴
(
えつれき
)
の
赫々
(
かっかく
)
たる実績があっても
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加うるに門地
閲歴
(
えつれき
)
、並びにその
麾下
(
きか
)
に持つところの実力といい、頑健な体格といい、この者こそは、時雲に選ばれた随一の男だと
観
(
み
)
るに誰も不審とはいうまい。彼自身ももとより深くそう任じている。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
閲
常用漢字
中学
部首:⾨
15画
歴
常用漢字
小5
部首:⽌
14画
“閲歴”で始まる語句
閲歴譚