まゝ)” の例文
入日いりひの落るを見て北條が歌を詠じたと云う……えゝ何とか云った……オヽ……「敵は打つ心まゝなる鴻の台夕日ながめしかつ浦の里」とんだと申すて」
皇国本は程本と一致して、まゝこれに優つてゐる。呉本は鮑の所謂いはゆる館本である。蘭軒は三本を比較して、皇国本第一、呉本第二、鮑本第三と品定した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
今俗にゆびさすをゑがきてそのしたにをしゆる所をしるしたるをまゝみる事あり、和漢の俗情おなじ事なり。
アヌンチヤタがヂドは妙藝なり、その歌女は美質なり。曲中にはまゝ何の縁故もなき曲より取りたる、可笑しき節々をはさみたるが、姫が滑稽なる歌ひざまは、その自然ならぬをも自然ならしめき。
欄外評は初けつより二十七頁に至るまで、享和元年より後二年にして家を嗣いだ阿部侯椶軒正精そうけんまさきよの朱書である。まゝ菅茶山の評のあるものは、茶字を署して別つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
今俗にゆびさすをゑがきてそのしたにをしゆる所をしるしたるをまゝみる事あり、和漢の俗情おなじ事なり。
そのありがたさを吾がのちへもしめさんとてふでついでにしるせり。近年は山家の人、家を作るに此雪頽なだれさけて地をはかるゆゑそのなんまれなれども、山道やまみち往来ゆきゝする時なだれにうたれ死するものまゝある事なり。
そのありがたさを吾がのちへもしめさんとてふでついでにしるせり。近年は山家の人、家を作るに此雪頽なだれさけて地をはかるゆゑそのなんまれなれども、山道やまみち往来ゆきゝする時なだれにうたれ死するものまゝある事なり。
わたなれたるものすらあやまつて川におち入り溺死おぼれしするものもまゝあり。