すぐ)” の例文
乗員もまた独逸海軍の精をすぐったものか、百発百中! いったん狙われたが最後、未だこの海の狼からのがれ得た船はなかった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
仔細しさいを聞いた老職たちは、主君の恥辱をそそぐ大切な事柄なので、すぐに八方へ人をり、特に大きなのを集めたうえ更にその中からすぐって十本
蕗問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
かれ原料げんれうわら勘次かんじ要求えうきうせずに五せんか十錢位せんぐらゐづゝ懷錢ふところせんしてすぐつたわら其處そこ此處こゝつて、穗先ほさきところもつてはかたからけてがさ/\と背負せおつてるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その隙に、池田の御老臣やおれ達は、城下の町人、町に住む野武士、それからお城の番士とか足軽なんぞの気のきいたやつらをすぐって——どうだと、黄金をにぎらせて歩いたのだ。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)