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途
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ど
ふりがな文庫
“
途
(
ど
)” の例文
捉え難い寂しさは
盲
(
めし
)
いたる眼で闇の中を
当
(
あ
)
て
途
(
ど
)
もなく見廻わそうとし、去り難い悩しさは
萎
(
な
)
えたる手でいたずらに虚空を
掴
(
つか
)
もうとした。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
きょうまで、無理にいましめていた理性と
羞恥
(
しゅうち
)
を破って、片恋の涙は、いちどに、男の膝を熱く濡らして、今はもう止め
途
(
ど
)
もない。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
活
(
い
)
けるしかばね——となって、あれからこっち、材木置場や町家の檐下で、寺社の縁などに雨露をしのいで江戸の町まちを当て
途
(
ど
)
もなしにほっつき歩き
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それが一層彼らの行動に拍車をかけたであろうが、庸三の贈った金の行き
途
(
ど
)
についても、後にだんだん
臆測癖
(
おくそくぐせ
)
の強い庸三の心にはっきりした形を与えて来た。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
するとまた、柱廊や黒い人影が思い出され、神や避けがたい死のうえに、思いは
当
(
あ
)
て
途
(
ど
)
なくさまようのであった。彼女は鐘の音を聞くまいとして頭から夜衣を被った。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
隣りの
明店
(
あきだな
)
に隠れて居りました江戸屋の清次は驚きましたが、
通常
(
あたりまえ
)
の者ならば
仰天
(
ぎょうてん
)
して逃げ
途
(
ど
)
を失いますが、そこが
家根屋
(
やねや
)
で火事には慣れて居りますから
飛出
(
とびだ
)
しまして
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いっそ狂うて死んでもくれたら。まだも増しよと
怨
(
うら
)
んでみても。当の本人キチガイ殿は。死ぬるどころか大飯喰ろうて。
治癒
(
なお
)
る
当
(
あ
)
て
途
(
ど
)
もない顔つきだよ……チャカポコチャカポコ……
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
紛
(
まぎ
)
れもない
正金
(
しょうきん
)
である。五十両の金は、妻の血の結晶のように彼には見えた。熱いものがとめ
途
(
ど
)
なくその眼からあふれた。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「みすみす、行くあて
途
(
ど
)
もないあなた様やその和子たちへ、出て行けと、追わぬばかりに云わねばならない私の辛さ。……御前様、おゆるし下さい、おゆるし下されませ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私という
小
(
ち
)
ッぽけな一つのものも、何か、こう……眼に見えないものに支配されて、こうしている間にも、運命が刻々に、変っているんじゃないか……などと
止
(
と
)
め
途
(
ど
)
ないことを考えておりました
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(だがと、待てよ……)万太郎の空想はそこで
止
(
と
)
め
途
(
ど
)
もなくなりました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“途”の意味
《名詞》
(ト、みち)道。道筋。
(出典:Wiktionary)
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“途”を含む語句
前途
帰途
途中
一途
途上
歸途
目途
冥途
中途
行途
途端
途絶
途次
長途
三途河
途切
半途
途断
途法
中途半端
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