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足枷
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あしかせ
ふりがな文庫
“
足枷
(
あしかせ
)” の例文
一郎に狂人
制御
(
せいぎょ
)
用袖無しシャツを着せ、
足枷
(
あしかせ
)
を加えて七号室に監禁する一方、被害者シノ以下四名の男女患者に応急の手当を
施
(
ほどこ
)
したが
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
自分の生命を削らずに、生きて行くことは出来ないのだ。「そうだ、どうすれば、この邪魔になる重い
足枷
(
あしかせ
)
を断ち切ることが出来るか!」
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
この際、彼の取るべき方法は、妻のお民と共に継母をなだめて、目に見えない
手枷
(
てかせ
)
足枷
(
あしかせ
)
から娘を救い出すのほかはなかった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
エチオピアで同様の場合に貸し方と借り方二人の片脚を
足枷
(
あしかせ
)
で縛り合せて不自由させるという話と似ていて可笑しい。
西鶴と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そのそばを通りかかると、時おり鎖の鳴る音や、
足枷
(
あしかせ
)
をはめられた人たちの呻き声が、聞えることもありました。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
▼ もっと見る
そこでは若いお孃さんたちが
足枷
(
あしかせ
)
をはめ、背中に板をつけさせられ非常に
上品
(
じやうひん
)
で
几帳面
(
きちやうめん
)
でなければならないところだと、ベシーが時々話したものである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
足枷
(
あしかせ
)
をおもわせる赤い豚革の
編上靴
(
あみあげぐつ
)
が、まるで彼を風に吹き飛ばされないための
錘
(
おもり
)
のようにならんでいた。
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
わが身が
手枷
(
てかせ
)
足枷
(
あしかせ
)
のじゃまとなって、どれだけ栄三郎さまのおはたらきをそいでいることか……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
鎧と体とが離れ/″\になって、しっくり身についていないのみか、己れを
護
(
まも
)
り人を威嚇する筈の武具が、却って彼自身に無限の苦しみを与えるところの
足枷
(
あしかせ
)
手枷のように見える。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一兵一
矢
(
し
)
の蓄えもなく、居候をしている
素寒貧
(
すかんぴん
)
の
若公卿
(
わかくげ
)
には、どんな過激な議論も吐けようけれど、重喜には、
譜代
(
ふだい
)
の臣、阿波二十五万石の
足枷
(
あしかせ
)
がある。そう、滅多に動けたものではない。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
のた打ち廻り、重い
足枷
(
あしかせ
)
を引き擦り引き擦り、大叫喚をしているのであろう、油紙の天幕の下は、朽木の体内のように脆くて、このまま人間は、生きながら
屍
(
しかばね
)
となるのではあるまいかと、思われた。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
ただ手錠、
足枷
(
あしかせ
)
を
箝
(
は
)
めて晒して居る者もあるがこの時は大変に晒されて居るのを見たです。およそ二十人ばかりも
彼方
(
かなた
)
の辻、こなたの柱に一人ずつ晒されて居った。いずれも立派な着物を被て居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
罰する
足枷
(
あしかせ
)
——それらにまんべんなく感心してしまうと
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
認識者たちは、仕方なしに、重い
足枷
(
あしかせ
)
を
牽
(
ひ
)
きずって歩く。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
手枷
(
てかせ
)
、
足枷
(
あしかせ
)
、
團子
(
だんご
)
にされて
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
何故ならこの接吻は、私の
足枷
(
あしかせ
)
に
捺
(
お
)
された封印のやうに思はれたから。その後も、彼はこの儀禮を略さなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
項
(
うなじ
)
に吊すように、ふん縛られ、足は大きな
足枷
(
あしかせ
)
で錠をかけられていながら、真中の
洋車
(
ヤンチョ
)
にふんぞりかえって、俥夫と、保安隊士を等分に呶鳴りつけていた。
武装せる市街
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
幾時代かの伝習はその抗しがたい
手枷
(
てかせ
)
足枷
(
あしかせ
)
で女をとらえた。そして、この国の女を変えた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこで降蔵らは本正寺に呼び出され、門前で
足枷
(
あしかせ
)
を解かれ、一同書付を読み聞かせられた。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
手枷
(
てかせ
)
、
足枷
(
あしかせ
)
がそこに降蔵らを待っていたのだった……
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“足枷”の解説
足枷(あしかせ)とは、脚の自由を奪う器具。
2個の半円形の切り込みがある2枚の厚い板を組み合わせると足を拘束することが出来る器具。
桎梏という語があり、桎は足枷で梏は手枷の意で自由を阻害された状態を意味する。
(出典:Wikipedia)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
枷
漢検1級
部首:⽊
9画
“足”で始まる語句
足
足袋
足許
足下
足音
足掻
足駄
足利
足蹴
足跡