トップ
>
見究
>
みきわ
ふりがな文庫
“
見究
(
みきわ
)” の例文
見究
(
みきわ
)
めようとしているのであったが、
幾
(
いく
)
十
丈
(
じょう
)
とも知れないほど深く湛えた蒼黒い水は、頼正の眼を
遮
(
さえぎ
)
って水底を奥の方へ隠している。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
グウ、グウという音がして、庖刀が西瓜の胴体に食いこんで行く時、果してそれの赤いか否か一刻も早く
見究
(
みきわ
)
めようとして、私らが息を殺して
覗
(
のぞ
)
きこむ。
私の父
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
長吉は夢中で
雷門
(
かみなりもん
)
の方へどんどん歩いた。若い芸者の
行衛
(
ゆくえ
)
を
見究
(
みきわ
)
めようというのではない。自分の眼にばかりありあり見えるお糸の後姿を追って行くのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、綱倉から例の
誓文神
(
せいもんじん
)
の
祠
(
ほこら
)
へ出る抜け道までは、さほど遠くなく、充分地の理も
見究
(
みきわ
)
めてあるので、やや
窪地
(
くぼち
)
になった
藪
(
やぶ
)
の中へザッ——と姿を隠してしまった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
岸本は、あの病人の個性というものをよくも
見究
(
みきわ
)
めずに
唯
(
ただ
)
病気のみを診断しようとする医者のような人達から一口に自分の
行為
(
おこない
)
を
審
(
さば
)
かれることを非常に残念に思った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
それは神経衰弱的な恐迫観念がときどき
槍尖
(
やりさき
)
のように自分を襲って来たが、しかし、最後の落ち着きどころは空虚と
見究
(
みきわ
)
めがついていたので、まだ
自暴自棄
(
じぼうじき
)
の痛快味があった。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
……その……今申しました犯人の性格をモット深く
見究
(
みきわ
)
めたいと思いましたので……つまり犯人は都会の上流や、知識階級に多い変質的な個人主義者に違いないと思ったのです。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ものごとの真相を
見究
(
みきわ
)
めてもらいたい、というのが私の諸君に対する最後のお願いだ。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
もっともそれを
見究
(
みきわ
)
めなかったのは、
己
(
おれ
)
にもあやふやなところがあるからだ
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
なるほど平原の尽きる
辺
(
あた
)
りを、眼を細くして、
見究
(
みきわ
)
めると、暗くなった奥の方に、一筋鈍く光るものがあるように思われる。
海辺
(
うみべ
)
かなと橋本に聞いて見た。その時日はもう暮れかかっていた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
朝夕その動作を見るために箱の中に木の枝または車などを仕掛けてそれを渡って活動するその軽快な挙動を研究的に
見究
(
みきわ
)
めなど致した上で、葡萄の中に栗鼠の遊んでいる所をあしらって図案を決め
幕末維新懐古談:52 皇居御造営の事、鏡縁、欄間を彫ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
いよいよ
見究
(
みきわ
)
めが付いたのじゃ! オースチン師の
設計図
(
みつもりず
)
を盗み出したも紋十郎! 嘘と思わば葉村の長の、館へ行って兄の口から、直々白状させるがよいわ! 謀反人の極重悪人
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
出来るだけ落ちついて
見究
(
みきわ
)
めようとする態度が、その中にかなり鮮明にあらわれて居り、同時に、彼が主としてどういう点で自分を反省しているかも、おおよそそれでうかがえるように思える。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いや、それもありますが、それに先立って、失礼ながら梢さんに果してそれだけの誠意があるか否かが問題なのであって、その
見究
(
みきわ
)
めがつくまで、私も園田の後見役として、とくと梢さんのお心持なり態度なりを
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
究
常用漢字
小3
部首:⽳
7画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当