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藁草履
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わらざうり
ふりがな文庫
“
藁草履
(
わらざうり
)” の例文
下人は、そこで腰にさげた
聖柄
(
ひぢりづか
)
の太刀が鞘走らないやうに氣をつけながら、
藁草履
(
わらざうり
)
をはいた足を、その梯子の一
番下
(
ばんした
)
の段へふみかけた。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「どうしたね
勘次
(
かんじ
)
、
恁
(
か
)
うして
連
(
つ
)
れて
來
(
こ
)
られてもいゝ
心持
(
こゝろもち
)
はすまいね」といつた。
藁草履
(
わらざうり
)
を
穿
(
は
)
いた
勘次
(
かんじ
)
の
爪先
(
つまさき
)
に
涙
(
なみだ
)
がぽつりと
落
(
お
)
ちた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
白い
股引
(
もゝひき
)
に
藁草履
(
わらざうり
)
を穿いた
田子
(
たご
)
そのまゝの
恰好
(
かつかう
)
して家でこさへた
柏餅
(
かしはもち
)
を
提
(
さ
)
げて。私は柏餅を室のものに分配したが、皆は半分食べて窓から投げた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
と、お父さんが包みの中から、小さな
藁草履
(
わらざうり
)
を取り出しました。太郎さんはそれをはいて、縁からとびおりました。
峠
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
かれは
藁草履
(
わらざうり
)
をつツかけて
穿
(
は
)
いた。かれは寺を出て、一番先に、近所にある貧しい長屋の人達の
門
(
かと
)
に立つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
「屋臺の灯は暖簾越しで、腰から上は見えませんよ、でも、足の方はよく見えました。素足に女らしくない
藁草履
(
わらざうり
)
を穿いて、派手な
女浴衣
(
をんなゆかた
)
がチラ/\しましたから」
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下駄を
藁草履
(
わらざうり
)
に
穿
(
は
)
き変へて、山へと云つて伴はれた時は、天へ
上
(
のぼ
)
るやうな気分になつて居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
大
(
おほ
)
きな
藁草履
(
わらざうり
)
は
固
(
かた
)
めたやうに
霜解
(
しもどけ
)
の
泥
(
どろ
)
がくつゝいて、それがぼた/\と
足
(
あし
)
の
運
(
はこ
)
びを
更
(
さら
)
に
鈍
(
にぶ
)
くして
居
(
ゐ
)
る。
狹
(
せま
)
く
連
(
つらな
)
つて
居
(
ゐ
)
る
田
(
た
)
を
竪
(
たて
)
に
用水
(
ようすゐ
)
の
堀
(
ほり
)
がある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
軽い
藁草履
(
わらざうり
)
をはいて、お弁当を用意して、昼近い時分に二人は出かけました。町をはづれると
田圃道
(
たんぼみち
)
で、それから桑畑の中を通つて、細い一すぢの道が山の方へ向つてゐます。
時男さんのこと
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
そこで彼等は用が足りないと、この男の歪んだ
揉
(
もみ
)
烏帽子の先から、切れかかつた
藁草履
(
わらざうり
)
の尻まで、万遍なく見上げたり、見下したりして、それから、鼻で
哂
(
わら
)
ひながら、急に後を向いてしまふ。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
履
常用漢字
中学
部首:⼫
15画
“藁草履”で始まる語句
藁草履穿