-
トップ
>
-
薄黄色
>
-
うすきいろ
と
云ふ
時、
袖崎に
續いて、
背後から
並んで
來た五六
臺の
車が、がら/\と
川縁を、
町へ
差して
通過ぎる。
看板の
薄黄色い
灯が、
幕を
開けた
舞臺を
走る
趣に
見えた。
薄い
髮を
結び
髮に、きちんと
撫つけて、
衣紋をすつと
合はせた……あの、
其の
襟が
薄黄色で、
而して
鼠に
藍がかつた、
艷々として
底光りのする
衣服に、
何にもない、
白い、
丸拔きの
紋着を
着て
おなじく
折つた
小さな
薄黄色の
船の
形に
連り
咲いた
花である。