落入おちいり)” の例文
つきおそる/\私し共は越後國高田領たかたりやうの百しやうにて是なる女のをつと無實むじつの罪に落入おちいり遠からず死罪しざいに決し候へ共未だ存命にて入牢じゆらう仕つり居り候何卒御殿樣おんとのさまの御慈悲じひを以つて誠の御吟味ぎんみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
にはかに暑氣しよきつよくなりし八月はちぐわつ中旬なかばより狂亂きやうらんいたくつのりてひとをもものをも見分みわかちがたく、こゑ晝夜ちうやえず、ねぶるといふことふつにければ落入おちいりたるまなこ形相ぎやうさうすさまじく此世このよひとともおぼえずなりぬ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
傳吉は聞及び幸ひ上臺のいへ斷絶だんぜつなげく折柄故其男子に傳吉より憑司ひようじが田地の外に若干じやくかんの地をつかはし上臺の家を相續さうぞくなさしめける眞に傳吉が行ひは孝道かうだうと信義との徳にて無實の罪に落入おちいりたるも死をのがれ一生を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)