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苛税
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かぜい
ふりがな文庫
“
苛税
(
かぜい
)” の例文
そもそも性欲は自然があらゆる生物に課して種属保存の義務を負はせた
苛税
(
かぜい
)
であるが、ずるい自然はにがい薬を糖衣でくるむやうに
最も早熟な一例
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
近来、殆んど連年かかる悲惨なる目に遭い、その上
苛税
(
かぜい
)
の
誅求
(
ちゅうきゅう
)
を受けるこの
辺
(
へん
)
の住民は
禍
(
わざわ
)
いなるかな。天公
桂
(
かつら
)
内閣の暴政を
怒
(
いか
)
るか、天災地変は年一年
甚
(
はなはだ
)
しくなる。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
当然、
苛税
(
かぜい
)
、悪役人の横行、そして貧富の差は、いよいよひどく、苦民の
怨嗟
(
えんさ
)
は、四方にみちてくる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
苛税
(
かぜい
)
誅求
(
ちゅうきゅう
)
の結果、少しばかりの金を儲けたとて仕方なしとの、自暴自棄に陥った
故
(
せい
)
もあろうが、要するに大体の政治その宜しきを得ず、中央政府及び地方行政官は
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
お
上
(
かみ
)
には、どんな御失費も
滞渋
(
たいじゅう
)
ができぬように、下の者も、どんな事をしても、
苛税
(
かぜい
)
に骨を削らなければならぬ。下ほどそれは辛くなる。出ないものを
絞
(
しぼ
)
り出す苦悩なのだ。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
苛税
(
かぜい
)
をしぼり取って、私腹を肥やしなすっているとか、何でも、二十ヵ条も罪をかき並べて、都へその訴状が差廻され、お沙汰が来次第に罰せられるとうわさに聞きましたで。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
、牛か馬のように思うて、
苛税
(
かぜい
)
を取り立てた
酬
(
むく
)
いじゃ、あの赤い火は、代官所を
呪
(
のろ
)
うている貧しい百姓たちの思いが燃えるのじゃ、常々、威張りくさってばかりいる代官の顔を
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その他、上野介様の御代になってからは、寺の荒れたるは
繕
(
つくろ
)
い、他領のような
苛税
(
かぜい
)
は課せず、貧しきには
施
(
ほどこ
)
し、
梵鐘
(
ぼんしょう
)
を
鋳
(
い
)
て久しく絶えていた
時刻
(
とき
)
の鐘も村に鳴るようになった程じゃ。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
真田伊賀守
(
さなだいがのかみ
)
の領土では、
繭糸一揆
(
まゆいといっき
)
だの、
千曲川
(
ちくまがわ
)
の運上騒動だの、また、領主がお庭焼の陶器に
凝
(
こ
)
って、莫大な費用の出所を、百姓の
苛税
(
かぜい
)
に求めたので起った須坂の
瀬戸物
(
せともの
)
一揆だのと
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でなくてさえ
強慾
(
ごうよく
)
な石見守は、
私腹
(
しふく
)
をこやすためと家康のきげんをとるために、金坑
掘夫
(
ほり
)
をやとって八方へ
鉱脈
(
こうみゃく
)
をさぐらせる一方に、
甲斐
(
かい
)
の
百姓
(
ひゃくしょう
)
町人
(
ちょうにん
)
から、ビシビシと
苛税
(
かぜい
)
をしぼりあげて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
沂都
(
ぎと
)
、
瑯琊
(
ろうや
)
の両県に来て吏庁にのぞんでいましたが、たちまち
苛税
(
かぜい
)
を課し良民を苦しめ、部下に命じて掠奪を行わしめ、婦女子をとらえて
姦
(
かん
)
するなど、人心を険悪にすること一通りでありません。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“苛税”の意味
《名詞》
取り立てなどが過酷な租税。重税。
(出典:Wiktionary)
苛
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
税
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“苛”で始まる語句
苛
苛立
苛々
苛責
苛酷
苛烈
苛辣
苛斂誅求
苛苛
苛政