自身みづから)” の例文
自身みづから食客のせり賣したりとて、誰れかは正氣に聞くべき何處にも狂氣あつかひ情なく、さる處にて乞食とあやまたれし時、御臺處に呼こまれて一飯の御馳走下しおかれしを
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まち高笑たかわらひするやうにりて、とき新玉あらたまはるりぬ、お美尾みを日々ひゞやすからぬおももち、をりにはなみだにくるゝこともあるを、みちせい自身みづからいへば、らうのみにものうたがはず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此雜踏の中といひ誰れも思ひ寄らぬ事なれば日暮れよりは目にも立つまじと思案して、晝間は花屋の女房に手傳はせ、夜に入りては自身みづからをり立て呼たつるに、欲なれやいつしか恥かしさも失せて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此雜沓このざつとうなかといひれもおもらぬことなれば日暮ひくれよりはにもつまじと思案しあんして、晝間ひるま花屋はなや女房にようぼう手傳てつだはせ、りては自身みづからをりたちよびたつるに、よくなれやいつしかはづかしさもせて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この雑踏の中といひれも思ひ寄らぬ事なれば日暮れよりは目にも立つまじと思案して、昼間は花屋の女房に手伝はせ、夜に入りては自身みづからをり立て呼たつるに、欲なれやいつしか耻かしさも失せて
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)