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腹癒
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はらいせ
ふりがな文庫
“
腹癒
(
はらいせ
)” の例文
「瓦だなあ、はよかったねえ、高山でドジを踏んで、みずてんに出し抜かれ、その
腹癒
(
はらいせ
)
をわたしのところへ持っておいでなすったのかえ」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その千円が手に
入
(
い
)
つたら、
腹癒
(
はらいせ
)
に一つ思ひ切つて
洒落
(
しやれ
)
た茶会でも開いてやらうと、
心待
(
こゝろまち
)
にしてゐると、
其処
(
そこ
)
へ届いたのは藤田氏からの一封で
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その
腹癒
(
はらいせ
)
と、自分のさもしい根性を一所に
敲
(
たた
)
き破ったのだよ、——一度姉さんと
歩行
(
ある
)
いた時、何か買って食べさしたいと思ったが、一銭あった。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
政吉 なあに、文太の奴はあっしにも、ちっと憎む筋のある野郎でさあ、お前さん方のためばかりか、あっしの
腹癒
(
はらいせ
)
にもなったのだから、そう礼をいうには及ばねえ。
中山七里 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
小山男爵は、信一郎に云ひ伏せられた
腹癒
(
はらいせ
)
がやつと出来たやうに、得々として口を挟んだ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
計らざりき東洋の孤客に引きずり出され奔命に
堪
(
たえ
)
ずして悲鳴を上るに至っては自転車の末路また
憐
(
あわれ
)
むべきものありだがせめては降参の
腹癒
(
はらいせ
)
にこの老骨をギューと云わしてやらんものを
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此の作は、ダスウシイがシラノと仲が悪くなつてから
腹癒
(
はらいせ
)
に書いたものらしく、シラノの生前に発表すると決闘を申込まれる倶れがあるので、シラノの死ぬのを待つて公にしたものださうである。
書狼書豚
(新字旧仮名)
/
辰野隆
(著)
そうでなければ、鯨で言い伏せられた
腹癒
(
はらいせ
)
に、先方の知識の薄弱なところをねらって、オットセイで論鋒を盛り返そうとするのかも知れない。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それのかなわない
腹癒
(
はらいせ
)
に、商会に対する非常な妨害から
蹉跌
(
さてつ
)
没落さ。ただ妻の
容色
(
きりょう
)
を、台北の雪だ、「雪」だと
称
(
とな
)
えられたのを思出にして落城さ。」
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小山
男爵
(
だんしゃく
)
は、信一郎に云い伏せられた
腹癒
(
はらいせ
)
がやっと出来たように、得々として口を挟んだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
嬉しそうに歩いているところを見せつけられたから
嫉
(
や
)
けてたまらねえので、そんな
悪戯
(
いたずら
)
をして
腹癒
(
はらいせ
)
をしてみたんだ、早く言えば百、お前が色男すぎるから
調戯
(
からか
)
われたんだ
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なお先刻の
腹癒
(
はらいせ
)
に、滅茶々々に
撲
(
なぐ
)
り
潰
(
つぶ
)
さんと、例の鉄棒を
捻
(
ひね
)
る時、銀平は耳を
聳
(
そばだ
)
てて
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
虐殺
(
なぶりごろし
)
にして
腹癒
(
はらいせ
)
して、そうして下枝の
傍
(
そば
)
に高田の死骸を
僵
(
たお
)
して置く。の、そうすれば誰が目にも、高田が下枝を殺して、自殺をしたと見えるというものだ。何と可い工夫であろうが。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お角は小屋へ帰って、その
腹癒
(
はらいせ
)
に、せっかく来合せていた米友をさんざんに
罵
(
ののし
)
って、その足でまた山下の銀床へ飛んで行きました。そうして百蔵の胸倉を取って思う存分に文句を言いました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
殺されるのはなかなか一通りの苦しみじゃないぜ、それもこう一思いに殺ればまだしもだが、いざお前を殺すという時には、これ迄の
腹癒
(
はらいせ
)
に、かねても言い聞かした通り、
虐殺
(
なぶりごろし
)
にしてやるのだ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
癒
常用漢字
中学
部首:⽧
18画
“腹”で始まる語句
腹
腹這
腹立
腹掛
腹痛
腹鼓
腹匍
腹部
腹背
腹帯