“はらいせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
腹癒70.6%
肚癒11.8%
復讐5.9%
腹愈5.9%
腹慰5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その千円が手につたら、腹癒はらいせに一つ思ひ切つて洒落しやれた茶会でも開いてやらうと、心待こゝろまちにしてゐると、其処そこへ届いたのは藤田氏からの一封で
「亭主持がすさまじいや、むこうから切られた癖に、何だ、取揚婆のさかさまめ、」まさかにこうとは思い懸けず、いやがらせをやって、なぶっておごらせた上、笑い着けて、下駄の肚癒はらいせをして、それから
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コイツが君の手にかかって物をいうとなれば、友吉おやじイヨイヨ以て瞑すべしだ。コレ位大きな復讐はらいせはないからね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
源は腹愈はらいせのつもりで、路傍みちばたの石を足蹴あしげにしてやった。尊大な源の生命いのちは名誉です。その名誉が身を離れたとすれば、残る源は——何でしょう。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
部屋へやしのばせたることを兄君に申上二人ともにこひ意恨いこん憂目うきめを見せて夫を腹慰はらいせせんと思ひし處兄上には我身と友次郎樣とをそれとなく其夜の中に落し給ひしかば夫より吾助はおろかにも兄君をうらかゝ大變たいへん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)