“しかえし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
復讐68.2%
返報18.2%
報復4.5%
反動4.5%
讐返4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう一度石にくいついても恢復なおって、生樹なまきを裂いた己へ面当つらあてに、早瀬と手を引いて復讐しかえしをして見せる元気は出せんか、意地は無いか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こういう時に日ごろ町内から憎まれていたり、祝儀しゅうぎの心附けが少なかったりした家は思わぬ返報しかえしをされるものだった。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
そのために、彼は、叡山から報復しかえしに来る者があっても、一切顔を出すなといわれ、一間ひとまのうちに、恐縮して首をすくめていたのだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待つとは——いうまでもなく、叡山の者の報復しかえしである。あのまま黙っている山門の大衆だいしゅではない。あれから数日、音沙汰おとさたのないのは、むしろ大挙してってくる険悪な雲のすがたを思わせるものがある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから親身の母子おやこの情の出ないのは当り前だ、それを無理に出そうとすれば、自然、どこかからお剰銭つり反動しかえし)が出て来るにきまっている。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
蝦蟇法師は流眄しりめに懸け、「へ、へ、へ、うむ正に此奴こやつなり、予が顔を傷附けたる、大胆者、讐返しかえしということのあるを知らずして」傲然ごうぜんとしてせせら笑う。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)