報復しかえし)” の例文
そのために、彼は、叡山から報復しかえしに来る者があっても、一切顔を出すなといわれ、一間ひとまのうちに、恐縮して首をすくめていたのだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待つとは——いうまでもなく、叡山の者の報復しかえしである。あのまま黙っている山門の大衆だいしゅではない。あれから数日、音沙汰おとさたのないのは、むしろ大挙してってくる険悪な雲のすがたを思わせるものがある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)