脳天のうてん)” の例文
旧字:腦天
峯を返しながら、急所の脳天のうてんを軽く打っておいて、莞爾かんじと打ち笑いながら、うしろに控えていた真槍隊しんそうたいに言い呼ばわりました。
たぶん、頭がかたい——頑迷だというのかも知れない。母にきいたら、頭の脳天のうてん丁字髷ちょんまげをのせていたのだともいった。
とさけびながら佐分利さぶり五郎次、三日月みかづきのごとき大刀をまっこうにかざして、加賀見忍剣かがみにんけん脳天のうてんへ斬りさげてくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おさげの脳天のうてんに水色のちょうちょうのリボンをつけているが、それが朝日に輝いていかにもかわいらしい
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
わしには、さっぱりわけが分からんですが、きのうわしは研究所に近づいてへいの破れから中を監視かんししていますと、いきなり脳天のうてんをなぐりつけられたんです。気が遠くなりました。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、耳元でささやく舌足らずの声が、かぼそく私の脳天のうてんみとおってきたのである。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
いながら、おばあさんのきねをげて、むぎをつくふりをして、いきなりおばあさんの脳天のうてんからきねをろしますと、「きゃっ。」というもなく、おばあさんは目をまわして
かちかち山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わしの手には、おしゃべり探偵の脳天のうてんを叩き破ったハンマーが、血にまみれて、握られていた。それは、彼氏がお喋りに夢中になっている間に、卓子テーブルの蔭から、コッソリ取出したものだった。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
がまがなめくじに魔術まじゅつをほどこしたごとく、じゅうぶんかれの気をのんでしまった竹童は、やがて、一しゃく二尺と梁の上をはいわたって、蛾次郎がじろうのすぐ脳天のうてんのところへ片足かたあしをブランとらした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、彼の脳天のうてんにはげしい一撃が加わって、彼は意識を失ってしまった。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いま、かれは無我無心むがむしんに、相手の脳天のうてんをねらってとんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、帆村は自分の脳天のうてんに指をたてた。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)